前回は自動詞と他動詞の区別について触れましたが,今回は他動詞の後に続く目的語について考えてみることにしましょう。


 目的語の定義は,動詞が働きかける動作の対象となる語(語句)ということになっています。


 1:I drank a cup of coffee, and I left for home.(私はコーヒーを一杯飲み,家に向かってその場を去った)


 to不定詞が導く語句や,動名詞が導く語句が目的語になることもあります。


 2:I don't want to be a politician.(私は政治家になりたくない)


 3:I enjoyed talking with Tom on the phone late at night yesterday.(私は昨夜遅くトムと電話をして楽しんだ)


 このように,ひとつの語のかたまりがまるまる目的語になることもあります。さらに拡張すると,節が続く場合もあります。


 4:I know that It's not you but me that Teddy loves.(私はテディが好きなのはあなたではなく自分であることを知っている)


 わざわざ難しい構文を使う必要があるのか? と思うかもしれませんが,4の文には強調構文というものが含まれています。


 このようにSVOの文の中には,ひとつの意味のかたまりが名詞句,名詞節となって他動詞の後に続いている形もあります。


 日本語の「~を」「~に」にあたる語と覚えてしまうと,困ったことが起こります。〈自動詞+前置詞〉でできている動詞句の後に続く語を動詞の目的語だと勘違いしてしまうのです。


 5:We'll leave for Tokyo at noon.(私たちは正午に東京に向けて出発する)


 訳語の中にある「に」は両方とも前置詞の目的語に対して充てられたものです。他動詞が作るSVOの文は動詞の後に直接名詞,または名詞の役割を果たす語句が続き,自動詞が作るSVMの文は動詞の後に前置詞句や接続詞節などが続きます。


 自動詞と他動詞の違いについては,このように理解すればいいのだと思います。次回は目的語が2つある動詞や,動詞の後に目的語+補語の形が続く文について述べたいと思います。