佐々木(学年主任)「最近、生徒同士のケンカが、多いです
各クラス、目を光らせて置くように」






エイト(ケンカねぇ、そういう時期じゃないのかな?)






シュガー「ハッハッハ、ケンカですか」






佐々木「そうなんですよ、中2になって来て少し増えてきていて」






「ケンカなら、エイト先生・・・」






ガシッ






エイト「口論の時点で、芽を摘んでしまいましょう
そうすれば、ケンカに発展することはないですよ!きっと」






シュガー「くっ、苦しい!」






ー ー ー ー ー ー ー ー ー






みつき「美波、何読んでんの?」






「夏目漱石らしい」






「ふ~ん、ライトノベル?」






「・・・違う」






美波(意外に面白い・・・)





みつき「そういえば、もう終わりだね」






「何が?」






「教育実習だよ
来週から、ユミ先生とかエイト先生とか、いなくなっちゃうんだね
何だか、寂しい」






「・・・」






ー  ー  ー  ー  ー  ー  ー







エイト「優秀な卒業生を囲む会って、毎年あるんですか?」






菅井「いや、何か社会人スポーツ選手が卒業生にいたみたいで、教頭先生が急にやるって言い出して
それで、なぜかエイト先生も担当に指名されたのよ」






(余計な仕事増やしやがって)







ー  ー  ー  ー  ー  ー






シュガー「フフッ♪」







エイト(何を、あんなに嬉しそうにしているんだ?)






シュガー「おっ!こっち、こっち、早くみてみろ」







ー ー ー ー ー ー ー ー ー






竹田「まだまだ日本のバスケットは、発展途上にありますが、社会人や高校生の力でいずれはプロリーグになると信じて目の前のことを必死にこなしています」


※2011の話。当時日本バスケット界には、今のような明確なリーグは無かった






生徒会長「バスケットのプロリーグ化は、近い将来だと思いますか?」






「もちろん」







「他にバスケットをしていて、楽しいと思える瞬間はありますか?」






「1番テンションが上がるのは・・・」







「・・・」






「可愛いチアリーダーが、踊っている時です
お前も男なら、分かるだろ?」






シュガー「ギャハハ!!」
エイト「ギャハハ!!」






「・・・!?
シュガーと、それにエイトもいるじゃねぇかよ!!
何してやがるんだ?」







「教頭のシュガーです」


「教育実習生のエイトです」





「たまげたぜ、何だか懐かしいな」






シュガー「随分と立派になったな、中身も図体も」





エイト「どんだけバスケが好きなんだよ」






「おい、生徒会長
書き足しておけ、この天才のルーツは中学時代だと」






生徒会長「・・・・・・
椅子をあと二つお願いします。」






竹田「ぁん?」







「竹田さんと教頭先生とエイト先生の、対談形式にしましょう」






ー ー ー ー ー ー ー ー ー






菅井「はい、お疲れ様
溜まっている業務は、早く仕上げてね」






エイト「ハイ
(楽しかったけど、やっぱりそうだよな)」






ガラガラ






エイト(さてと・・・学級日誌、指導案、丸付け、何からやろうかな?)






美波「ねえ」






「おう♪夏目漱石は、面白いか?」






「好き」






「ん?」






「エイト先生が、好き」







続く

~ある日の昼前~






菅井「それじゃあ、エイト先生の授業に慣れた生徒は、食い付き悪いんじゃない?」






エイト「なるほど、ちょっと雑学みたいなものを・・・」






「いや、アクティブラーニングが流行っているんだから・・・
10人くらいに、その時の気持ちを一言ずつスピーディーに聞いていけば?」






「良いですね!そうします」






「じゃあ、日誌の書き直しもしといてね」






「はい!失礼致します」




ガラガラ・・・トン






桜井「すごいしごかれていますね」






菅井「まあ、教師になるなら社会に出る前に詰め込みたくて」






「教育実習生最年長の割には、バイタリティがありますね」






「わざわざ転職してまで、この仕事を選んで来るんだから、本気なんでしょう」






ー  ー  ー  ー  ー  ー  ー




ガラガラ






エイト「ふぅ~」






ユミ「空き授業の時も、みっちりと指導を受けるんですね」






「ありがたいよ」






「えっ?」






「菅井先生だって空き授業なのに、付き合って頂いて」






キーン・コーン・カーン・コーン






(さてと、次は・・・)







ー  ー  ー  ー  ー  ー  ー






エイト「この時の主人公の気持ちを・・・」






美波(ジー!!)






エイト(何か怒ってんのか?)







ー  ー  ー  ー  ー  ー  ー






エイト「この時の主人公の気持ちを・・・」






マナ(プクーッ)






エイト(こいつら、何なんだよ・・・)







〈実習生控室〉






ケンイチ「今日は、マナって生徒だな」






ケイ「いや、美波って生徒が来る気がする」






ヒナ(なぜ、広まった・・・)






ガラガラ






エイト「早く部活動に行きなさい」





マナ「は~い、じゃあねぇ」






ケンイチ(ほれ、見ろ)


ケイ(・・・)





ユミ「サッカー部行けないくらい、生徒対応に追われますね」





「最近の中学生は、分かんないな(笑)」






???「何を言っていますか!殿なら、いけますって」






ケンイチ「あれ?確か、オカジさん」





ケイ「バカ、イケジさんだよ」






ナカジ「ナカジだわ!」






エイト「・・・二人の知り合い?」






「殿~、俺のことを忘れちゃったんすか??」






「誰だっけ・・・とりあえず、何してんだよ?」






「市役所職員なもので、巡回ってやつですね
ちょうど、殿が教育実習してるっつう噂を聞いたから、名乗り出て私が参りました
不審な動きは、ありませんか!?」






「お前が、不審者だわ」






━━━プッ!━━━





「あっ、そうだ
君ら、見覚えある元野球部!君らが共に汗を流した野球部で、すげぇピッチャーの先輩はいなかったかね?」






ケンイチ「レイジ先輩ですか?」


ケイ「あ~、4番ピッチャーの」







「驚くことなかれ、このエイトさんの弟だぞ!」





エイト(なぜ、お前が威張る・・・)






ケンイチ「えっ、マジ?」



ケイ「ヤバい兄弟ですね」






「ナカジ、もう帰れ
教育実習生とて、暇じゃないんだ」






「殿~、久々に会ったのに冷たい」






シュガー「エイト~」






「あっ、教頭先生
ナカジが、涌いて出て来ました」






「おぉ!ナカジ
お前、元気にしていたか!?」






エイト(この隙に逃げよ♪)






ー  ー  ー  ー  ー  ー  ー






美波「ねえ」






エイト「おっ、美波」






「オススメの本は?
忘れていないでしょうね」






「ちゃんと、用意してあるよ
俺のはもうボロボロだから、わざわざ本屋で新しいの買ったんだからな」





「『こころ』?」






「夏目漱石の代表作だ
中学生には少し難しいかもしれないが、面白いぞ」






「ありがとうございます」







続く
ケンイチ「最近の子どもは、覇気がないな」





ケイ「この前、うるせーとか言ってたじゃん」






「いや、何か話しかけてもテンションがローというか
普段は勝手にぺちゃくちゃ喋っているけど」






ヒナ「でも、幼くてみんな可愛い!」






ユミ「ホント。体育祭とか頑張ってて」






エイト「まあ、俺らもあんなんだっただろうけどな」







尽きることのない、学校では話せない話






たかが、実習なのですが






いっぱしに愚痴が出るのも、頑張っている証拠かと






ケンイチ「そうだ!」








ケイ「声が大きいって。酔っぱらってんじゃないの!」







「エイト先生、美波って生徒が質問に来ていましたけど、会いました?」






「いや、会っていないけど・・・サッカー部終わって中2の教室は全て見回ったけど、いなかったな」






ヒナ「美波ちゃんって、喋るんですか?」






「喋るよ
何か文を読むの苦手そうだけど」






「ふ~ん、大人しそうだけどね」







ユミ「そういえば、エイト先生の時って教頭先生が担任だったんですか?」






「あぁ。楽しかったぜ(笑)」






ケンイチ「担任出来るのか」




ケイ「意外・・・」







「最高の担任だったぜ
おっ、最高の担任だったよな~シュガーは、大将」






柿沼「まあな(笑)
これ、あちらの社長からだって」






「社長?」







アユミ「教育実習生の皆さん、実習頑張って下さい」






「アユミ!?」







「何でお前、まだ学生やってんだよ?(笑)
てか、シュガーって教頭なのかよ」






ケンイチ「すごい高そうなスーツヒソヒソ」

ケイ「いかついけどねヒソヒソ」





アユミ「まあ、教師らしいっちゃ教師らしいか
頑張れよ!」






エイト「おぅ!」







ー  ー  ー  ー  ー  ー  ー






「美波」





「エイト先生?」






「昨日、質問に来たらしいな
何だった?」







「何だっけな、忘れました」






(天然かよ、よく分かんない奴だな)







「・・・何か、オススメの本ってありますか?」






「オススメ?あぁ、じゃあ考えとくわ
そろそろ、ホームルームだろ?早く教室行け
じゃあな」







(・・・・・・)






マナ「あんた最近、よく喋るね」






美波「はぁ?」







「何、ウチのホームルーム担任に頻繁に話しかけてんのよ」






「2-Aのホームルーム担任は、桜井先生だと思うけど」






「今は!」






ヒナ「はいはい、美波ちゃんこんなトコにいたの?早く教室入って」






ー  ー  ー  ー  ー  ー  ー






ユミ「何、それ?」






ヒナ「だから、そういうコトでしょ♪
誰にも、言っちゃダメだからね」






ー  ー  ー  ー  ー  ー  ー






ケンイチ「マジかよ?」






ユミ「内緒よ」







ー  ー  ー   ー  ー  ー






ケイ「ほうほう」






ケンイチ「めっちゃ良いな~、俺なんて初日に親父ギャグ飛ばして、外したのに」














続く