ここでもうひとつ、わたしの数多くの招霊体験からいえることは、戦後、日本が民主主義の世の中になってから他界した人にあっては、霊界で不幸な道を歩んでいるケースが多いということである。つまり、時代的にはわたしの父もそうであったが、民主主義の思想を十分にとりいれて生活し、そして他界していった人たちのなかには、地獄に落ちてゆく人が多いのである。


けっきょく、現代は、目に見える形の面での悪、罪ということばかりでなく、毎日の想念生活のなかにおいて、知らずのうちに、地獄門をくぐる準備を着々とすすめている人たちが、ひじょうに多いということではないだろうか。わたしたち現代人は、はやく、そのことを悟らなければならないのである。

現代の民主主義の思想は、自由、人権、平等ということがあやまって偏曲され(かたより、ねじ曲げられ)、その結果、自己本位の心、ゆきすぎた現実主義の思想がはびこってしまっている。

すなわち「自分さえよければ」「いま、今日さえよければ」といった調子で、自己の利益やたのしみのためにならいかなる手練手管をつかってもよしとする悪魔の想念が広がって。そのために、現代人は神の子としての各々の「魂の存在」を、自ら破壊しつくそうとしているのではなかろうか。