この本(文芸社刊)がご縁となってNHKクローズアップ現代に出ることになりました。
2022年11月17日午後7時から放送予定です。
2016年(平成28年)4月8日に成立した「成年後見制度の利用促進に関する法律」の施行に備えて、「既得権益者」のいいようにまたこの成年後見制度が汚されることを私なりに憂いて世に出した本でした。
いろいろな出版社にも掛け合いましたが結局、内容が「過激」だったのか?自費出版となりました。それでも3刷まで行きました。
弁護士・司法書士の金銭的な不祥事が以前から相次いでいましたが、それ以上に身上監護(身上保護)をする能力に欠ける法律家が大手を振ってこの世界を牛耳っていることへの違和感の方が強くありました。この本の出版をきっかけにその時も報道機関数社から取材を受けましたが、金銭的な使い込み以外の不都合な現象はいまだ少数派だろう、市民全体に影響を及ぼすほどの事象ではないなどと言われて相手にされませんでした。ところが、2022年8月に成年後見制度の民法改正も伴う抜本的改革の記事が報道各社から出されるに及んで、「少数派だろう」などと当時、私を取材された記者さんがおっしゃた共同通信でさえ、2022年9月15日のネット配信で
(「使い始めたら死ぬまでやめられない」成年後見制度はかわれるか 利用者家族は「だまされた」20年たってようやく民法改正の動き)という記事の中で「成年後見制度の主な課題」として①利用し始めたら、途中で後見人を変えるのが難しい②必要なくなっても原則、利用をやめられない③後見人に報酬を支払い続けなければならず、経済的に負担④報酬額に明確な基準がなく、いくらかかるかわかりにくい⑤本人や家族の意思を尊重しない後見人がいる
というように指摘しています。特に⑤が由々しき問題で後見の基本原則である民法858条(成年被後見人の意思の尊重及び身上の配慮)が全く理解できず、理解しようともしない法律家に対する批判だと思われます。これらは表現こそ違え、私が上記著作の中で既に述べてきたことです。やっと、マスコミもわかってきたのかという感じです。
ところで、司法書士団体が大騒ぎして自画自賛で作った前記「成年後見制度の利用促進に関する法律」が2016年(平成28年)5月13日に施行されていますが、その結果は、最高裁判所事務総局家庭局による「成年後見関係事件の概況」によれば、
平成29年から令和3年までの全体の成年後見申立件数は微増、しかも増えた分は「成年後見制度の利用促進に関する法律」によって作られた「地域連携ネットワーク」を通した行政がらみの「市町村長申立」と「本人申立」だけで、配偶者や親や子からの申立は減少しています。
つまり、市民はそっぽを向いています。惨憺たるものです。
この本は、「成年後見制度の利用促進に関する法律」が施行される前の少し古い本ですのでデータには古いものもありますが、基本的には今にも通用する本だと思います。
ぜひ読んでいただいて、これ以上、法律家のいいようにされない制度にするにはどうすればいいのか市民の視線で考え直す必要があると思います。
後見は本来、福祉の仕事です。法律家の仕事ではありません。他者とのトラブルがお得意な弁護士や登記専門家の司法書士の仕事ではありません。後見制度を畑違いでかつ対人援助技術も座学でしか学ばないのにわかった気になっている法律家から取り戻して、福祉そして市民の手に次回改正では取り戻したいものです。

