神様はサイコロの目を見ない
■香港 神のみぞ知る
俺はローラが歩みを止め、エルメスバックから携帯電話機を取り出し小声で会話しているので遠慮して後ずさりした。
(バックや携帯電話機のNOKIAも最新機の高級品だ 俺なんかPHSから昨年国産機に替えたばかり 電話の利用で十分かな)
ローラの肩が短く上下した
「仕方ないわね 気を付けてね」
ローラはバックへ携帯電話機を入れると
「Mr Satosi 行きましょうか」
俺は振り返ったローラの表情が冴えないので 今までの高揚感も萎んでしまった。
でも俺は ゆとり世代 ローラのエスコートで高級ホテルの中国料理店では日本では見かけない珍味を味わい 本場の食材で作る
品々に満足し打たれ弱いが回復も早い俺は いよいよ締めの海鮮アワビだ。
「Mr Satosi 満足して頂けたかしら」
「Mrs.Taylor (あなたと一緒なので)とても美味しかったです」
ローラの肩が短く上下した
「Mr Satosi ローラと呼んで頂けるかしら」
(Oh! なんという展開だ 海鮮アワビは別室で)
神も仏もない まして天使は見て見ぬふりか
(フィクションであり、実在の人物組織とは一切関係ありません)
(画像はイメージです)