ととのいました 人生行路は天使の采配-1 | 株式投資 宝塚歌劇団 ドイツ 犬猫 旅 乗り物 好きな趣味のブログ

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ホンマカ行くぞ ホンマなんです 改題

 

プロローグ

 

天使エブラハムは何人にも対し優しく微笑むとは限らない。

 

■東京
 

試合終了のホイッスルで俺の短い夏休みも終わった 
冷えた缶ビールを鷲掴みにし喉に流し込むと 

むせて涙目の霞んだ視線から天井の壁紙の
合わせ目が広がって浮き上がっている。

頬に伝う涙を拭くこともなくTV映像からは
異国より歓喜と無念が入り混じった姿と声が

室内で連日稼働のエアコンが自動クリーニング
突入擬音と重なった。

あの試合結果を境に俺の日常に対する心構えも
変わった


もう旅立つことに集中し仕事は二の次とまでは
いかない迄も旅先の情報を集め書き止め また
思案顔に気づいたのか上司が日頃は声を掛けて

来ないのに何か問題でも有ればホウレソソウ
だぞと一つ覚えの熟語みたいのをかまして来た

俺はまだ退職届を書く気には至らないが職場の
淀んだ活気のない雰囲気には飽きていた。

刺激が欲しい訳でもなくこの先の生き方に
こだわるには勇気が要るが勇気はない

今まで日和見主義でもないが他人の顔色を窺い
多数派に同調し 俺の矜持なんて今は無い

昼休みに職場から抜け出し中央通り沿いの
純喫茶でナポリタンを食べてから店内のピンク色
の公衆電話機から旅行会社に航空券の予約を
と脳内で段取りしながら歩いていると背後から
聞き覚えの有る 本当は無視したい主からだ

「なにか隠し事してるんじゃないだろうな」
「そりゃあ人間 誰でも何か一つ位 有るよ」

同期入社でゼミでも一緒だった立川昇だ
俺は知っていたが会話もなく立川は指導教授に
要領良く立ち振る舞い好印象を与え成績も良く
ゼミ合宿でも中心人物だった。

そんな立川が俺と同期入社だと知った時の
啞然としている顔が忘れられない
俺とすれば してやったり
でも他人からすれば そこはもっと強気にだろう

俺を追い抜きざまに本省の役人とパワーランチ
云々と呟き新調した背広姿で足早に距離を
広げて慌ただしく去って行く

そんなに急いで人生どうするの
一時期アンニュイな行動がもてはやされたが

ひと月ほど経過した頃 職場に航空券の発券
が出来たとの電話を受け帰宅時に地下鉄で
旅行会社へ受領のため立ち寄りバスに乗り換え

混雑の車内でも普段と違い良い高揚感で
安普請のアパートへ向かう

年次有給休暇 完全取得が労使共の合言葉で
俺も何とか仕事の段取りを終えて5日間の連続
年休取得を事前に上司に伝達していたので
何も言われず承認印を押下してもらう

正確に書けば「休むも甲斐性」も口癖
またかと思ったが顔や口に出さず
旅先のホテルの電話番号を書いたメモ紙も渡す

本省から外郭団体へ天下りの上司と
俺とどちらが先に辞めるんだろう。

男の一人旅 スーツケースなんか必要じゃない
されど PUMAのマジソンバッグも あれか
社会人だけどラフなジーンズ姿で黒色の
ボストンバッグ一個で機内持ち込みだ

と簡単に荷造りし明日の段取りを想定し寝た
でもなかなか寝付けず何度も寝返りの記憶が

朝が来た 今日から自由だ と心中で叫ぶ
ホンマカ行くぞ ホンマなんです。(意訳)

 

*ホンコンマカオ 本当だ(直訳)

*香門             这是真的


(フィクションであり、実在の人物組織とは一切関係ありません)

(画像はイメージです)

 

 

 

 

 

 

↓続く