ヒカル月の祈り 3.0 episode 30 | 園田信のブログ

園田信のブログ

小説家・ヒーリングカウンセラー園田信のオリジナル小説を公開して行きます。また、日常で気になったあらゆるコンテンツへの感想などを書いて行こうと思っています。 

 わたしはその日、中目黒にあるベジタリアンカフェ、アラスカにいた。
 ここはわたしが、確か今年の春頃からだったろうか? 特にお気に入りのようで毎週のように通っている。
 中でもランチメニューの玄米プレートにハマって以来、ここに来る時は決まってそれを注文する。
 ベジミート、自家製がんもどきに野菜コロッケなどのメインメニューに玄米ライス、サラダ、小鉢の煮物が付いて1,050円。
 ああそれにお吸い物とドリンクも。
 ちなみに注文するドリンクもいつも一緒のアイスルイボスティーで、これがまた病みつきの美味しさ。
  ここに来て最初の頃は、ヘルシーだけどちょっとこの味、薄くて物足りないかも? なんて思っていたのだが、肉やジャンクを止めて以来そんな薄味が自分にとってちょうどいい頃合いの美味しさに変わり、なんかもう舌で味わうっていのではなく、そのヘルシーな全体の感覚を身体で実感するというか。
 食生活の変化によって自分の味覚そのものなんてものが、本当に変わるもんだなあ・・・、なんて心から思う今日この頃であった。
 店の内装も廃材の木目をベースとした北欧風のキッチンスタイルで、これがまたわたしにはまさにツボ。 
 そしてそこの店員は、みんな20代ぐらいのルーズカジュアルな女子たちで、それがまたいかにもの草食系森ガールな雰囲気で、そのたたずまいだけでも十分このわたしを相当に癒してくれるわけです。


 今日はそのすぐ近くのコナミスポーツでのヨガ帰り。

 ナカバヤシさんとの割り勘で買ったパナソニックの電動チャリでここまで通っているわけなのだが、ちなみにそのチャリ、コナミと同じビルのドンキホーテ本店で売っていたのをナカバヤシさんとふたり以前たまたま通りがけに見つけ、「みんなの買い物用にいいね」なんてふたり同意しつつも、なんとその場でいきなりナカバヤシさんが、「シェアハウス用ならば、割り勘でなら買ってもいいかも?」なんて言い出し、わたしもそれにすぐに便乗し、「それ、乗った!」なん てノリでその場で衝動買いしたものだった。
 そしてそまあ、これもわたしの想定通りというか、どうせナカバヤシさんは日中仕事で外なわけだし、ほとんどわたしの独占状態? 

 なんて思っていたらまさにその通りとなり、実際のところこのチャリ、わたししか乗ってないんじゃないか? なんて、まあそんなことはどうでもいいのだが・・・、とりあえず今日もわたしは、このカフェでMacBookを前に終わらない小説を書き続けている。
 そして例によって今日も全くページが進んでいない。

  あ~あ、あのフィオレンテでの一件については、まだ手がかりも何もつかめていないので話の展開には使えないし・・・、なんてアイスルイボスティーのスト ローを前歯でかじるようにして残りの液体をズルズルッと音を立て吸い切り、あっ、ちょっとレディーとしたことがはしたなかったかしら? なんて下を向き、まわりの気配に意識をめぐらせたその瞬間だった、
 「あの? ワカバヤシさん? 
 でしたっけ?」
とパソコン越しにいきなり誰かに声を掛けられ、
 「えっ?」
と言って顔を上げたわたしは思わず硬直した。
 「ああ、あの・・・、この間お会いした」

 「あっ!


 え、ええ、て、テルヤマさん・・・、でしたっけ?」
と、なんとまたも偶然に彼に会うなんてのは何? 
 こ、これってもしかして運命のなんちゃら? ってこと?
 「ああ、ど、どうも。
 前の道をたまたま通りかかったら、あの、ワカバヤシさんがいるのが見えたもので。
 すいません、お邪魔じゃなかったですか?」
 「い、いえ。

 と、とんでもない。
 あ、ああ、あの・・・、お座りになります?」
と言っている自分の声がかなりうわずってるのがわかる。
 「いや。

 それが、あの、実はこれからちょっと行く所がありまして」
 「そ、そうなんですか」
 「そうだあの・・・、じ、実はそう、あの日あなたにお会いしてからなんですが、急にインスピレーションみたいなものがいきなり湧いてきちゃったっていうか・・・、それがもう、なんかいきなりだったんですけど、そのインスピレーションをもとにっていうか・・・、そのイメージをベースにシンプルなブレスレットを作っってみたんですよ。
 ああ、す、すいません。

 なんか勝手なことして」

 「ええ!? 


 嘘!? 

 す、凄い・・・、っていうか、そ、それ、わたし、か、買います! 
 そ、それって、お、おいくらなんですか? 

 いや、そのブレスレット?」
と驚喜しつつそうリアクションするわたしに、
 「いや、それは売り物って言うよりも、出来ればこのぼくに・・・、あなた宛にプレゼントさせてくれませんか?
 なんか自分、勝手に作っちゃったもんですから、あなたの許可もなしに。
 あの、いや、もし・・・、よかったらでいいんですが?」
 「えっ? 
 こ、このわ、わたしに? 
 ほ、本当に?」



是非とも続けてプチッっと!! よろしくお願い申し上げます!
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