ラクダ使いと王子の夜に収録されている、2作品。
ラクダ使いと王子の夜の感想はコチラ
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いびつな欠片・くさった螺旋の2作品は、かなりディープなお話です。
なのでまとめてご紹介します
ネタバレ有り
いびつな欠片
ストーリー
医者の家系に産まれた兄弟の兄は、何でも器用にこなし成績の良い弟を疎ましく思っていた。
ある日風呂の途中で外に出ようとしたら、弟が兄で興奮していた。
罰として羞恥な写真を学校に貼り出す事を要求し、兄への思いを利用して弟を壊したのだ。
その見返りとして、兄の体を…。
それから事ある毎に弟は兄の体を求める。
関係はエスカレートしていく。
兄は他を貶める事でしか価値を見出だせない、弟は兄の自尊心の被害者。
ただ1人兄を求める人間を、兄は決して解放してはやらない。
と言う、お話です。
近親相姦モノです。
どちらかというと苦手なジャンル
内容も結構ハードです。
でも弟の兄に好かれたい一心の気持ちが、必死すぎて切なくて。
実は兄も弟に囚われている、という。
全てが物悲しく切ない物語でした
くさった螺旋
ストーリー
小金井の父親は、有名俳優の金井秀。
金井秀は極度の人間不信で、特に女性は憎悪している。
中学生の頃に女生徒のグループに性の玩具にされた過去があり、その中の1人が妊娠して産まれたのが小金井だ。
損害賠償の代わりに小金井の親権を要求。
今度は自分が子供を玩具にする為に…。
憎悪を吐き出さないと正気を保てない。
だから気持ちを吐き出す為に、父を受け入れる。
そんな姿を知っているのは自分だけ、本当は爛れた関係を知って欲しい、歪んだ愛を受け止められるのは自分だけだと。
錯乱状態の金井は、自由になる・解放されるんだと暴れている。
そんな父をずっと守ってあげるからと、また悪意を受け止める。
だから捨てるなんて許さない…。
これも近親相姦モノです。
コチラは同じ近親相姦モノでも、完全に壊れた狂気を感じました。
設定もかなり重苦しいし。
求めるけど逃げたい。
相反する感情が、また関係をがんじがらめにしていく。
恐い作品です。
かなりの重たい作品に、わぁーって
苦手なジャンルでもあるし。
でも不思議な事に、緒川さんの作品だとすんなりと読めちゃう
キレイだからかな
突き刺さるような美しさ、と言うか。
狂気を帯びた顔が、怖くて美しい
不思議な世界に取り込まれてしまい、完全にノックアウト状態です
ラクダ使い~を読んだ後だから、読めたってのもあるかもしれません。
緒川さんのハンバーガー作戦、見事に成功しています
重たい作品ばかりなのに、ラクダ使い~のパワー半端ないっ
やっぱり大好きです、ラクダ使い