「それでもいい。どうなったってあのアマは我慢できない。シメないと気が収まらないんだ。ネエ、一緒にやってくれるだろう?」そう懇願されてミチは考えに沈んだ。ゲーセンでの知代のにやけた態度が思い出される。遠ざかる裸の尻も瞼に浮かんだ。あんな女が金川を所有していることはヤッパリ不当だ。あんな女がいるから男はつけあがる一方なのだ。怒りも湧いてきた。

 「わかった。やる。あの女は気に食わない」ミチはキッパリと答えた。

 「そうこなくちゃ!ミチはやっぱりわたしのマブダチだね。ヨシ、そうと決まったら時間もあるし前祝いといこう。エンジンかけるタメにもね。マスター!ビールウ、ジャンジャン持ってきて!それからカメラも」

 節子が厨房に向かって叫んだ。待っていたようにマスターがビール瓶を持てるだけ持ってすぐに出てきた。首には一眼レフをぶら下げている。

 「わたしの写真は飛ぶように売れるんだ。そうだろ?マスター」節子が裸になりながらいう。

 「そうだよ。節子の写真は飛ぶように売れる」マスターが答えた。

 「なんでよ?」不思議に思ったからミチは聞いた。もうビールを開けて吞んでいる。節子は骨張っただけのただの醜女だ。尻もなければ胸もない。あるのはパックリ開いた生殖器だけだ。

 「こうした写真を見る男は女の顔や体を見るわけじゃない。女のイヤラシさを見るんだ。だから節子は抜群の被写体なんだよ。全く息子はいい友だちを持ったもんだ」

 

 パシャパシャいうシャッター音が続いている。そのうち節子がビール瓶で芸当を始めた。体が硬い印象を受けるが驚くほど柔軟である。開いた脚が一直線の棒のようだ。その中央にビール瓶が2本ブラブラと垂れている。節子の合図でマスターがズボンを下ろした。黒々としたモノがなかば起きている。

 「コイツが正明を作ったんだよ。こんな所から出た汁で正明ができたんだ。どお、信じられる?」

 節子は笑いながらそれをくわえて激しく吸い続ける。

 ミチはカメラを渡された。教えられたとおりに操作する。なるほど、ファインダーに写る映像は現実のものより遙かにいやらしい。これが容赦のない静止画像になった時の事を思うと欲情が湧いてきた。

 パシャ、パシャ、パシャ。

 凄いスピードでシャッターは落ちる。吞んでも吞んでも喉が渇く。そのうち、ミチはカメラを置いて服を脱ぎ始めた。

 

 ”煌”を出るとそとはとっぷりと暮れていた。

 レズったことでミチと節子の一体感はさらに増していた。酒もかなり入っていた。舞い上がってしまい恐いものなしの心境であった。通りを大股で闊歩していく。すれ違う通行人は、顔をしかめるかあざ笑うかしていた。

 「親父のチンポ、正明の味がした?」節子がニタついて聞いた。

 「そんなことなかったけどヤッパリ親子だね。尻の穴舐めてやると泣いてよがってた」ミチも上機嫌で応酬する。

 「男の尻の穴か!」節子が怒鳴った。「なぜ、あんなものを舐めて女は喜ぶんだろう?わたしなんか匂いを嗅いだだけでなけてくるんだ。変態なのかね?」

 「でもないと思うよ。わたしもそうだから。とにかく見ず知らずの男のものを舐める気持ちはたまらない」

 「ハハッ、そうなんだ」節子は長い舌をベロンと出して笑った。

 

                          続く