ミチが首をかしげていると、その状態を察してか明が助け船をだした。

 「ホラ、キャバクラでマネージャーやってるヤツ、、、」

 その瞬間、ミチのピントは合ってスクリーンに鮮明な像が浮かび上がってきた。

 「マア、あんなマXコの汁で飯食ってるヤツに比べりゃ、ミツルはうんとマシだけどな」

 「ユウちゃん、どうかしたの?」

 ミチは気になったから聞いた。一週間ばかし彼の店で世話になったことがあったし、これから世話になることだってないとはいえない。

 「どうもしねえよ。ヤツはいるべきところにいてそのまんま生きてる」

 「だったら、ミッチは?」ミチはここぞとばかりにたたみこんだ。

 「だから、知らねえよ」そういって明は口をつぐんで黙りこみ、車が山の麓の汚らしいアパートに着くまでそれを続けた。

 「サア、降りな。降りてついてきな」

 着くなり、明は二階の一部屋にミチを引っ張っていった。そして、出てきた部屋の主と軽い立ち話をして去った。どうやら、現金の授受があった模様である。

 部屋主の男は牡蛎の殻のような頬をした太った中年で、服を脱ぐと太腿にもケロイドがあった。彼は無言でミチを押し倒した。ミチは裸に剥かれ、尻を高々と持ち上げられた。抵抗できない恐ろしい力であった。

 男はそうしておいて、ミチの股間に食らいついていった。音を立てて舐め吸い続ける。ところが、不意に身を離して怒鳴った。

 「ヤロウの汁がまだ入ってやがる!」

 男は憎々しげに含んだモノを吐き出す。そのドロリとしたものは、ちょうどミチの顔に当たった。男はそうなったことが気に入ったようだった。ミチの尻を抱えて性器を舐め続けたが、時々顔を上げて唾を吐いた。なかには、カーッと喉を鳴らして吐き出すモノもあった。それは本物の痰で奇跡のようにミチの口の中に飛びこんだ。

 やがて、男は体勢をかえてミチの鼻先に裸の尻を突き出した。そして、いう。

 「さあ、今度はオマエの番だ。オレのを舐めてくれ」

 ミチはそれをまのあたりにした。ツブツブのある丸い肉と肉の間に、針金のような長い毛が乾いた汚物に固められよじれて突き出ていた。性器はその奥で垂れ下がっている。鼻がもげそうな強烈な異臭がする。意を決して、彼女はそれに突っ込んだ。柔らかい部分は苦く暖かで動いている。彼女は力をこめて奥へ奥へと進んだ。涙が出そうであったが、その理由はわからない。なぜなら、彼女には歓喜があった。男の尻肉をつかんでガクガクと顔を震わせていた。

 「アー、いい。ネーチャンいいぞ。なんてうまいんだ」

 男はたまらなくなったようだ。腰を浮かせてミチをひっくり返し、糞をするような格好でその顔面にまたがった。ミチは反射的に尖らせた舌を下から突き上げた。男はうめき、擦るように力強く押しつけながら尻を前後に動かす。その動作はミチが気を失いかけるほど長く続いたが、とうとうやみ、互いの性器を結合させる本格的な性交が遂に始まった。その行為も長々と続いたので、ミチは耐えきれず気を失った。

 目覚めると男は傍らで鼾をかいて寝ている。だからミチは目にしたタバコの箱を失敬して大あわてで部屋を出たのだった。

 

                          続く