今日は水曜日なので、今週の日曜日の礼拝メッセージを載せさせていただきます。
今週は、イエスさまが教えてくださった「世の終わりの時」のことを考えてみました。
2024年度の年間テーマ
~神の栄光をほめたたえよう~
「ほむべきかな、わたしたちの
主イエス・キリストの父なる神」
(エペソ人への手紙1章3節)
2024年7月21日のメッセージ
「最後まで耐え忍ぶ者は救われる」
聖書: マタイによる福音書24章1~14節
(一部だけ記します)
3 …弟子たちが、ひそかにみもとにきて言った、「どうぞお話しください。いつ、そんなことが起るのでしょうか。あなたがまたおいでになる時や、世の終りには、どんな前兆がありますか」
4 そこでイエスは答えて言われた、「人に惑わされないように気をつけなさい。
10 そのとき、多くの人がつまずき、また互に裏切り、憎み合うであろう。
11 また多くのにせ預言者が起って、多くの人を惑わすであろう。
12 また不法がはびこるので、多くの人の愛が冷えるであろう。
13 しかし、最後まで耐え忍ぶ者は救われる。
今日のお話は、イエスさまが十字架に架かられる前に弟子たちがヘロデ王が建てた立派なエルサレム神殿に驚嘆してイエスさまにも目を向けるように注意を促したところから始まります。
「世の終わり」とは、イエスさまが審判者としてこの世にこられ、それぞれに報いてくださる時のことです。
神に背くものは滅び、神の御心にかなう生き方をした者は神の永遠の憩いの中に入れられる、そのような振り分けがなされる日のことです。
その日がいつなのかはイエスさまにもわからないと言われていますが(36節)、それぞれの「この世の生の終わりの日」が来ることは誰も避けることはできません。
相次ぐ地震や戦争や異常気象など、何かこの世界が不安定になっていて、「その日」が近いことを思わざるを得ません。
しかし、「その日」を不安と恐れを抱かずに希望を持って生きる道があることをイエスさまから教えられたいと思います。
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*マタイ24:4~11
4 そこでイエスは答えて言われた、「人に惑わされないように気をつけなさい。
「世の終わり」のことを、いろいろな人が言います。「ノストラダムスの大予言」というのもありました。でも、惑わされてはいけません。その「前兆」をイエスさまがお語りになります。
① 5 多くの者がわたしの名を名のって現れ、自分がキリストだと言って、多くの人を惑わすであろう。
② 6 また、戦争と戦争のうわさとを聞くであろう。注意していなさい、あわててはいけない。それは起らねばならないが、まだ終りではない。7 民は民に、国は国に敵対して立ち上がるであろう。
③ またあちこちに、ききんが起り、また地震があるであろう。8 しかし、すべてこれらは産みの苦しみの初めである。
④ 9 そのとき人々は、あなたがたを苦しみにあわせ、また殺すであろう。またあなたがたは、わたしの名のゆえにすべての民に憎まれるであろう。
キリスト者の迫害が起こります。殉教する人が出ます。
⑤ 10 そのとき、多くの人がつまずき、また互に裏切り、憎み合うであろう。
イエスさまの教えに疑問を抱く人が出ます。「棄教」(キリスト教を捨てる)する人も出ます。
キリスト教会の内部で互いにさばき合い、教会が分裂します。
まさに、2000年の間のキリスト教会の現実です。
⑥ 11 また多くのにせ預言者が起って、多くの人を惑わすであろう。
偽預言とは、神の言葉でないことを勝手に語る人たちのことです。自分が神のようになって、自分の考えをまことしやかに語り、多くの人を惑わします。
彼らは人々を「神」にではなく、「自分」に惹きつけようとします。
それは、神とキリストから送られる「聖霊」の働きによるのではなく、人間の欲望を満たして心をとりこにしようとする「悪しき霊」による働きです。
「スピリチャル」の世界で「悪しき霊」のとりこになってしまっている人たちがいます。
そして、世の終わりのしるしのとどめがこれです。
⑦ 12 また不法がはびこるので、多くの人の愛が冷えるであろう。
「不法」とは、神さまの教えである「掟(律法)」を無視することです。神さまの教えをそっちのけで、それぞれが自分の好き勝手にしている状態が「不法」(無法状態)です。
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神さまの「掟(おきて)」の中でもっとも大事なことは、先々週学んだように、「神を愛し、自分を愛し、隣人を愛する」ことです。(マルコ12:28、マタイ22:34等)
しかし、その「愛」が失われ、人々の心が冷えきってしまったときに、「終わりの時がくる」というのです。
今の日本の社会を動かしている考え方は、「新自由主義」と呼ばれます。
「冨」と「力」を得た者が幸せになるという考え方です。
この仕組みの社会では、神さまの教えを守ることが難しくなります。
努力しなければ落ちこぼれて、その日食べていくこともできなくなってしまうからです。
「競争」に勝ち抜かなければ生きていけません。自分のことで精一杯、人のことなど構っていられません。
まさに、「今だけ、自分だけ、金だけ」の人間を作り出します。「愛」などと甘っちょろいことは言っていられないのです。
神さまは、弱い者、貧しい者、みなしご、やもめ、寄留の外国人を大切にするように教えていますが、そのような人たちは今の社会では顧みられることがありません。
神の掟を無視する「不法」は、まさに、「愛」の冷えた社会を作り出します。
*マタイ24:13.14
13 しかし、最後まで耐え忍ぶ者は救われる。
14 そしてこの御国の福音は、すべての民に対してあかしをするために、全世界に宣べ伝えられるであろう。そしてそれから最後が来るのである。
「耐え忍ぶ」とは「踏み止まる」こと、「留まる」ことを意味します。つまり、「神の愛に留まる」者は救われるのです。
イエスさまは、神の愛を伝えるためにこの世に来てくださいました。
イエスさまは、愛の冷えた社会で孤独と疎外感を味わっている人の「友」となってくださいました。そして、変わることのない神の愛を伝えてくださいました。
私たちは、顔をしかめてじっと耐えるのではありません。嵐の日に親の胸のうちに守られ安らぐ幼な子のように、神さまの愛に信頼し、神さまの胸のうちに留まるのです。
それは、周りの人から呆れられるかもしれません。バカにされるかもしれません。まさに、「愚直」な生き方です。
しかし神さまは、かならずやそのような者に平和を与え、喜びで満たし終わりの時まで安んじて過ごせるようにとお守りくださいます。
それは、日本にも多くいる「殉教者」や信仰者の先達が教えてくれています。
イエスさまがお示しくださった父なる神さまの愛のうちに留まり、この愛によって生き、愛を追い求める者はどのような状況の中にあっても平安と喜びがあります。
そして、神さまの愛に留まる者は救われると約束されています。神さまの愛のうちに生きる恵みを、十二分にうけとることができますように。
【黙想・祈り】
父なる神さま。いついかなることがおこるかわからない時代に生きている私たちが、あなたの愛をさらに深く知ることができますように。どうか、私たちをあなたの愛の内に歩ませてください。そして、その愛によって恐れや不安が打ち破られ、終わりの日まで平安と喜びの日々を過ごさせてください。イエスさまの御名によって祈ります。アーメン。
長いメッセージ、しかも、あまり考えたくはない「世の終わり」の話をお読みくださりありがとうございました。
「世の終わりの日」に対する「恐怖」と「危機感」をあおる宗教や教えがあります。
人間の欲望によって傷めつけられた地球は災害や旱魃、異常気象を引き起こしていますが、また、さらに戦争によってそれを加速させていますが…
愛が冷えると、この世が終わる…
神さまは、この「愛」を私たちに知らせるためにイエスさまを遣わしてくださいました。
神さまがお造りくださったすばらしい「地球」で生きている人々が知恵を出し合い、神さまの「愛」によって地上に平和がもたらされることを心から願っています

