青山選手の負った再断裂の怪我についての補足である。


膝蓋腱移植での前十字靱帯再腱であるが、膝蓋腱の両端の腱が付着した土台となる骨ごと移植する手術で、生まれもった腱の長さに左右され、元々あった前十字靱帯の長さや位置などの調整が難しく、大変であるとドクターとはよく話しになる。


膝蓋腱移植のメリットとしては、膝蓋腱自体の強度が非常に高く再腱するにはもってこいの靱帯である。


しかしながら、骨ごと移植という事で、一年程度で一度腐り、再血管新生が起こる過程で骨についた付着部が一度非常に脆くなる。


これが最大のデメリットである。どんな手術も一年くらい経てばアスリートならば、筋力など術前のレベルに戻っているので、ガンガン動いて一見完治したよつに思うのは当然。


ですが、再腱した前十字靱帯は脆いとあれば、何故か再断裂という流れになってしまう、、


他の手術方法としては、ハムストリングの一部採取と強度のある人工靱帯と合わせる事により、一時的に起こる再腱靱帯の強度不足をカバー出来るメリットがある術式である。


しかも、ハムストリング自体が長い為、元々あった前十字靱帯の場所や長さの調整にも自由度があり、前十字靱帯のテンション調節もしやすいとの事、しかも膝蓋腱移植と違い靱帯付着骨がない為、付着部からの再断裂がないのもメリットである。

ハムストリングを用いての再腱であれば、チタン製の止めネジで人工靱帯の固定もしっかりする為、自生の靱帯が一度弱くなっても保険がきくのである。


実際に、私がACL断裂した選手を何人も見ているが再断裂した人はいない。


前十字靱帯断裂は、スポーツの現場ではよくある事である。


スポーツの現場でコーチをする人は、そういったリスクもある事、これを回避させる事も指導者としての役目であると私は思う。