だいぶ日が経ってしまいましたが・・・
聴いてきました

コントラバスクラーっっ
ホリガー氏の80歳記念オーケストラコンサート
ホリガー氏の演奏を生で聴くのは今回で5回目でしたが、あまりの驚きと刺激と衝撃で途中から笑いがこみ上げるほどでした
まず、なにより、数年前と全く変わらないホリガー氏の姿にビックリでした。
ホントに80歳

開演し、指揮を振るホリガー氏の後ろ姿はおじいちゃん感など微塵も感じさせず、現役バリバリの音楽家の姿がそこにはありました。
それにしても、このプログラムよ
ヴェレシュ、ホリガーからのコンチェルト2つに世界初演のデュオにスペイン狂詩曲までついてくるというこのプログラムで、振っては吹き、吹いては振って、2時間以上立ちっぱなしで何役もこなすホリガー氏
ホントに80歳
(2回目)
ホリガー氏よりもオケの皆様がヘトヘトだったかもしれない
今回のプログラムで特に印象に残ったのがホリガー氏作曲の"2つのリスト作品のトランスクリプション"。
この曲は、70歳を過ぎ体力と精神の激しい落ち込みとともに作風が前衛的になり、調性を失う過程にあったフランツ・リストが作曲した「暗い雲」と「凶星」の2曲を、ホリガー氏が原曲を最大限に尊重しながらオーケストレーションしたものだそうです。
なにが一番印象に残ったかというと、曲の途中、何かビリビリというパイプオルガンのような響きが聞こえたのでコントラファゴットのほうを見ると、なんと吹いておらず楽器はスタンドに置かれたまま
たしかに、ビリビリ鳴ってはいるけどコントラファゴットよりもっとフワッとしていてどこか不安定で、遠くから聞こえてくるような感じでただよっている。音はすごく低いけど、響き方がコントラファゴットとは全然違います。じゃあ何
と思って見ていたら・・・
そこからしばらくの間ずっとコントラバスクラリネットが漂うような低音でメロディラインを吹いていました。
コントラバスクラリネットは大編成の吹奏楽作品などで時々目にすることはありますが、こういうソリスティックな使われ方をするのを生で聴いたのは初めてだったので、面白かったです
曲が終わり、拍手が起こるなか、コントラバスクラリネット奏者を立たせ拍手を送るホリガー氏
この曲でカーテンコールを受けたのはコントラバスクラリネット奏者ひとりだけでした。
そこに氏のコントラバスクラリネットへのこだわりをすごく感じて、とても印象にのこりました
それから細川俊夫さんの「結び」世界初演。
プログラムに曲目解説が載っていないことから、おそらく曲が出来上がってからそれほど経っていないのではないかと勝手ながら推測します。
現代奏法もいくつかありましたが、そこはホリガー氏はお手の物。
いつものことながらフレージングや息づかいは一瞬オーボエの存在を忘れるくらい自由で、楽器の都合やブレスが音楽を邪魔することは決してありませんでした。
どんなに一流の奏者でも、どんなに技を磨き考え積み重ねていても、オーボエってどうしても楽器の都合を乗り越えられない部分がふとした瞬間に出てしまうことがあって、これまでもたくさんの奏者のそういう場面をたくさん見てきましたが、ホリガー氏はほんとにそういう次元ではないほかの人とは全く違う何かがあるんですよね
"何か"がなんなのか・・・
さて曲ですが、はじめの方は「スペルソング-呪文のうた-」(昨年行われた国際オーボエコンクール東京の課題曲にもなった細川氏作曲の無伴奏オーボエ曲)にとても似ているように感じましたが、イングリッシュホルンとの絡み合いや、曲の終わりに向かってだんだんあたたかく昇華していく感じや、時々オーボエとイングリッシュホルンが同じ音型で駆け上がりキュッと止まるところは「結び」って感じがしました。
あぁ・・・あんなに色々感じて聴いていたのに言葉にすると浅〜い薄〜い感想になってしまいますね
語彙力のなさ
細川さんごめんなさい・・・
そしていちばん驚いたのは、マルティヌーのオーボエコンチェルト。
ホリガー氏のマルティヌーはいくつかの録音を何度も何度も聴いていますが、それとはまた全然違う

テンポ速〜っ
80歳であの感覚。あのリズム感。爆走といってもいいくらいの疾走感


吹き振りであの速さというのは、オケの皆様もさぞかし大変だったのではないかと思いますが、ホリガー氏のオケを引っ張るエネルギーと確信に満ちた音楽は忘れられない衝撃を与えてくれました
ええもん見せてもろうた
ちなみに今回の来日ツアーの日程はこのようになっておりまして・・・
私、すでにこのスケジュールは考えられないです
若い頃から世界中飛び回り勢力的にご活躍しつづけてこられたホリガー氏だからなせる業なのでしょうが、それにしてもハード
盛岡で夜公演した次の日に東京で昼公演して、さらに次の日は福岡で昼公演・・・
想像しただけでオエーっ
※ホリガー氏という偉大な音楽家に対して私がどうこう感想を述べるのはおこがましすぎるという思いを持ちながら、自分のための備忘録として心に残ったことをそのまま書いております。曲の解釈も思うままに書かせていただいておりますので、不快に思われる方がいらっしゃったらすみません
大下裕子ホームページはこちら




