旧正伝院書院表庭園の有楽椿
旧正伝院書院の表玄関の庭を横切ると、
大胆にも斜め真っ直ぐに延びた石畳の路地がある。
石畳の路地と含翠門
その先の小さな門があって、含翠門と呼ばれる。
含翠門から見た旧正伝院書院
含翠門:門が額縁隣中が絵になるように造られている。
門の先の右手には緑の芝地が広がり、
奥の方に四阿(あずまや)が佇む。
広芝地と四阿(写真中央)
正面に有楽苑の正門である徳源寺唐門と
有楽好みの庭園が造られている。
徳源寺唐門:奈良県大宇陀町にある織田家の菩提寺・徳源禅寺に建てられた唐門で、明治期に三井家大磯別邸に移され、その後に如庵とともに移築された。
その一角に石造りの嘯月台※2があり、
その辺りの紅葉がきれいだった。
※2 嘯月台:漢詩にも見える「月に嘯く虎」から名付けられた言葉で、
「月に向かって格調高く吼える虎」を意味し、絵画にも描かれている。
この嘯月台に座って紅葉を見ていると、
管理の方と出会い、色々と話をしてくれた。
今年は紅葉が早く、色も落ちているという。
例年の落ち紅葉は紅くてきれいだが、
今年は茶色に色褪せてもう一つとのことだった。
ここから少し先へ行くと、小さな萱門が見える。
萱門
ここが旧正伝院書院と国宝茶室の如庵の入口となる。
私の背丈だと、頭を下げないと通れないほどの
高さの門をくぐり抜けると、正面に旧正伝院書院が見える。
旧正伝院書院:1618年(元和4)に如庵に隣接して建てられた有楽斎の隠居所。入母屋造の温和な外観を示し、南側の主室は茶座敷にもふさわしい構えとなっている。また内部には長谷川等伯や狩野山雪などの襖絵が残っている。(普段は非公開)
その横に連なるように小さな茶室があった。
旧正伝院書院と国宝茶室の如庵(右)
これが京都山崎の「待庵」、大徳寺龍光院「密庵」とともに、
現存する国宝茶席三名席のひとつ「如庵」だった。
つづく