前回に引き続き、『幻聴を四期に分ける』についてふれてみたいと思います。


今回は第三期『精神に「自由」が回復してくる時期』についてです。(P28〜31)

この時期は『連想する言葉を次々に口にしていく』自由連想があるようで、頭の中にうかぶものを言葉にしてゆくということでしょうか。


中井先生は、


『自由連想ができるためには、ある程度精神の自由が必要なので、おそらくこの時期には自由が回復してきたのかもしれません。』


と説明され、患者さんの回復をみるため『乱数発生法』を提案されています。


どういうことかというと、

『できるだけデタラメに1から9までの数を言ってもらう』

そうですびっくり


前回の幻聴第二期の急性期の方だと、


『123456789』『123456789』


と答えれるそうです。

そこからできるだけはなそうとして、

『2.9』『1.8』

と続け、だんだんデタラメになってゆくそうです。

この本にも別の本にも中井先生は書いておられましたが、この『乱数発生法』を山登りの時に活かされていたようです照れ


また反対に、ゆとりを保つ為に、乱数を言い続けるのも、一つの方法なのかもしれませんねウインク

患者さんやご家族さんにも使えるのかもしれないのですが、特に『対人関係のもつれ』の時に、ゆとりがなくなるので、使う時には相手に余裕がある時に使ってもらい、ゆとりがないなぁと思って場面で思い出してもらうように『乱数』をいってもらうのがいいのかもしれませんね照れ


そうして幻聴は、だんだんわずかな内容にしぼられてくるようですびっくり

私もこれを読んで支援の中で思い出したのが、幻聴の内容が毎回同じで、他の支援者からも「同じ事言ってる」と困っておられることが多々あるのですが、これも捉えなおせば、幻聴の『第三期』に入っている証拠!

喜ばしいこと(?)なのかもしれません。

(なぜ「?」にしたのかは、次のブログで書きます。)


あと中井先生はフランスの精神科医アンリ・エイの言葉を引用されています。


『共同体=コミュニティからの疎外というのを我々は恐れている。だから幻聴の内容もそういうものとなる。』


幻聴の内容も、孤立感からくるものなのかもしれませんねおねがい