今回はちくま学芸文庫「精神科医がものを書くとき」から、タイトルの『精神科医がものを書くとき』について、ふれてみたいとおもいます。


この項は、ちょっと今までと違うかもしれないのですが、中井先生のルーツの一つで大変興味深い話でしたおねがい


冒頭の文章がすごく印象に残ってます。


『世界をできるだけ単純な公式に還元しようとする宇宙論や哲学あるいは数学と、キノコには、まだ道の種類が数千種もあるという世界の多様性に喜びを見出す博物学と、学問にも両極があることを知ったのは学生時代であった。』


私が学生時代に経験してるのは、学問においては文系か理系か、というわけ方でした。

どちらも考えると「答えのある(?)」学問だと思います。


ちなみに中井先生の学問のわけ方を、①と②に分けさせて頂きます。


①『世界をできるだけ単純な公式に還元しようとする』

②『世界の多様性に喜びを見いだす』


中井先生の友人に理論物理学者がいて、①を徹底的にされる方で、②に関心をもつということが理解できない方だったそうです。


そして中井先生とその理論物理学者の共通の知人に生物学者がいたそうです。その方はオサムシの触覚にしか生えないカビを「これほど栄養要求性の厳密な生物は稀だから面白いのだ』と言われ、中井先生も『彼が世界の多様性そのものに魅せられていたことは疑いないところだった』と②の方のようです。他にもエピソードが続きますが、詳しくは本を読んでください。


次回に続きますウインク