前々前々回に続き、「統合失調症患者の回復過程と社会復帰について」より「若干の原則的な提言」について触れてみたいと思います。


前回、サリヴァンさんの「患者の協力を期待できるもの」について、第一と第二と書かせていただき、今回もその続きです。


第三に、

『こころに浮かぶあらゆることをすぐ言語化する事』

とのことです。


これは、

『「パラタクシス的過程を一つでも洞察すること」であって、これは「対人関係における辺縁的なものの(中心的なものと同時的な)意識化」と言い直せるであろう。』

と中井先生は書かれています。


どういうこと??

と思い、「パラタクシス」を調べてみますと、サリヴァンさんの心理学用語のようで、


『発達段階で十分な人間関係を経験しないために、相手をゆがんでとらえてしまう自己防衛機構のこと。』


という事だそうです。

これはサリヴァンさんによると治療関係が安定するための大きな関門のようです。


支援の中でも、やはり人間関係的な課題がある方もいらっしゃいますし、私もそうだと思いますが、支援者の中にもそういう方が多いとは言いませんが、少なくはないかと思います。

ただ反対に絶対的に安定しているという支援者がいるかというと…どうなんでしょうねキョロキョロ


話しは逸れましたが、「人間関係的な課題」について、思っていることをことばなどで表現してもらうことが大事なのでしょう。


この後の中井先生は統合失調症の方の特徴の説明をされてます。


『(中略)また重要なのは、統合失調症患者の高い感覚性と「知覚と認識(思考)の近さ」(安永浩)によるところが大きい。特に徴候的なものの認知は彼等の得手である。』


これが大きな不安に繋がり、発病に至ることもあるようですが、

『これを回復過程にしうることもある』

と中井先生は書かれています。


これまでのサリヴァンさんの「患者の協力に期待できるもの」第一から第三までをまとめると、


①辺縁的身体感覚の意識化

②辺縁に位置する思考の意識(言語)化

③こころに浮かぶあらゆることをすぐ言語化すること


これについて、もう少し深く整理できたらと思うので、もう少し続きます…照れ