引き続き、「教育と精神衛生」について、考えてみたいと思います。
中井先生は戦時中の中、空襲警報などで教育を受けられなかった時期の中、学校で問題児扱いされることはほとんどされてきたそうです。
そんな中で中井先生が精神健康を目指す中で大切なことが、
『カウンセリング、相談、というものは、狭い意味では1つの技術であろうが、実際には、食事や睡眠と重要性においてさほどとらない人間の基本的活動であると私は考えている。
この基本的活動が不活発になる事は、精神健康を振り崩すものであると私は思う。』
と書かれています。
以前、どこかのブログで精神健康のために独り言が大事なこともあると中井先生の話しを書かせていただきました。
また教育についても、このように書いておられます。
『教育が「引き出す」ということだと、西洋の語源に沿って言われるのは、教育者がよい「聞き手」になることを含意していないか。教師は「送り手」であると同じくらい「聞き手」であることが重要だと、これは大学教師であった私の反省も含めて思う。』
今の教育者にどのくらいこのような事を大切にされている方があるのでしょうか。
またこれも大事な事だと思うので、中井先生の言葉を残しておきます。
『「この先生は、秘密を守ってくれる」ということを言葉でなく、態度をよって実践によって知って、初めて子供を真実を話してくれるものである。これは治療の現場から教育の現場へぜひ伝えたいことの1つである。』
真実を知りたければ、こういう態度が重要なのでしょうね。また、このことをわかりやすく説明された文として、
『産業医と会社員との関係を考えてみると、いっそうわかっていただけるだろう。』
と中井先生は書いておられます。
教師や産業医の先生だけでなく、われわれの支援関係でも相手の秘密を、相手の世話をされている方になんでも話してしまってないかな?と思うことがあります。
支援関係において、なんでも事実や真実を話せばいいというものでは無いと思います。
そういう相手が大切にしたいことを守っていくことで、信頼関係は育まれるのだと、あらためて自戒をこめて、忘れないでおこうと思います