この項の最後で、家族と治療の関係についてです。
病気になると、家族の誰かが影響されるかと思います。精神の病気は、殊更家族の影響…中井先生はこのように表現されています。
『病人はその家族の"症状"である』
家族にとってはとても辛辣な表現かもしれません。しかし実際に支援している中で、結構な割合で家族さんの関わりが要因であることがあります。
中井先生の言葉を借りるなら、
『病気という現象には、繰り返しという要素が入っているからだろうか。実際、数年、十数年にわたって同じ𠮟言、同じ愚痴、同じ成功しないやり方が続けられていることが多い。ついには別のやり方がそもそも考えられなくなる。』
ご家族も
「迷惑をかけてはいけない」
という心理から、このような状況になってしまいがちだと思われます。
少し話は変わるのですが、先日yahooニュースで、日本は先進国の中でもダントツで他者の援助を受けようとしない国であると伝えられてます。
この記事では、
「日本は歴史的に先進国としてはめずらしいほど市民団体が少ない。チャリティーの規則は複雑で、国の対策に対する期待が高く、組織化された非営利団体の登場は比較的新しい現象だ」
と書かれています。
この項が書かれた1984年には、アメリカの七割の精神衛生的救援は非専門家によってなされ、華僑社会でも200人におよぶ大家族の相互扶助システムがあったといいます。
我々の意識としても、
『そもそも迷惑をかけずに生きることができるわけがない。』
『迷惑をかけて良い社会』
を目指していく必要があるのかもしれませんね。
では先程書いた、
『実際、数年、十数年にわたって同じ𠮟言、同じ愚痴、同じ成功しないやり方が続けられて、ついには別のやり方がそもそも考えられなくなる』
ことのないように、具体的にわれわれができることは、なんなのでしょうか。
ヒントとして中井先生は、
『停滞を破るために、家族の中から外から異質な要素を導入すると良いことがある。
そういう意味で、家族に出入りする親戚や友人の力は大きい。』
と書かれています。
意識的に「迷惑をかける」状況をつくることが、解決のヒントになるかな?と思うことはたしかに多々あります。あと家族を構成する誰かの変化も、解決の糸口になる時もありますね。
わたしも精神健康のために、今後は家にどんどんお客さん入れていこうかな?と思えるようになりました
ご馳走持ってきてくれたら、ですが