今回も人文書院『戦争と平和 ある観察』より、「中井家に流れる遺伝子」について、ふれてみたいとおもいます。


この項は加藤陽子さんという東京大学の教授の方と中井先生との対談です。加藤さんは中井先生の著作を小さい頃から読まれていたそうで、第二次世界大戦や天皇陛下の話など、とても見聞が広くなる対談で、全部に線を引きたくなる内容でした照れ


その中で加藤さんが中井先生の著作『「昭和」を送る』(みすず書房、2013年)を引用しながら、天皇あるいは天皇制に対する中井先生の見方を表現された文章がとても印象に残りました。


『天皇星をなくせば、人民の意思を反映させやすくなると考えるのは間違いだとまずは書かれつつ、その上で、天皇家は生存を発展より上位におく価値観をもっているのではないかと。『「昭和」を送る』の117ページあたりで述べております。このイメージは『樹をみつめて』の3ページあたりの記述をわたしに想起させます。「その場に縛りつけられている植物の生の英知というべきものに教えられるところがあると私は思う」と。発展ではなく、生存を上位におく価値観をもつ天皇家と、植物の英知。何かつながっているように私には思いました。』(P147)


この中でも

『その場に縛りつけられている植物の生の英知というべきものに教えられるところがあると私は思う。』

という文章に、中井先生の治療や患者さんに対するおもいがこめられているように思いました。


『発展ではなく、生存を上位におく価値観をもつ天皇家と、植物の英知。』


天皇家の思いと日本社会は真逆の方向にすすんでいたのかもしれないとあらためて感じました。


私はあまり知らないので皇族のことを言及できないですが、中井先生の本を最初に読み出したきっかけが、精神の病に対する知識と患者さんへの関わり方の考えが素晴らしすぎたことからでしたが、想像以上に視野が広く、私の稚拙な文章では表現できないとあらためて思いましたガーン


またこの項の印象に残った文章についてはご紹介させて頂きたいとおもいますが、巻末にある中井先生が小学校五年生の時に描いたと言われる北海道の地図がもう凄すぎるので…

一度みてもらえたら、私のおもいが伝わると思いますおねがい


このブログにも出てきた『「昭和」を送る』『樹をみつめて』もまたいつか読んでみたいと思いましたウインク