「一つ言っておこう・・・俺にスペカは効かない」
そう言った後、壊は手に持つ神槍ブリューナクを足下の地面に突き刺し
ある呪文のようなものを唱えていく
『体は剣で出来ている』
霊夢の弾幕が壊を捉える
『血潮は鉄で、心は硝子』

早苗の弾幕も壊に命中するが、微動だにしない
『幾たびの戦場を越えて不敗』

「なんなのよ!不死身なの!?」
「わかりません・・・しかしまったく効いてない訳でもないですね」
霊夢が焦り、早苗は冷静に分析する
多少だが壊の額から血が流れている
『ただの一度の敗走はなく』

「もう一度ぶつけてあげるわ」
紫は再びスキマから電車を出し、壊にぶつけようとする

『ただの一度も理解されない』

しかし壊に向かってくる電車は当たる直前で大爆発する

『彼の者は常に独り、剣の丘で勝利に酔う』

「なんで当たらないのよ!?」
紫も焦る

『故に生涯に意味はなく』

壊の魔力が霊夢達もろとも博麗神社を覆う

『その体はきっと剣で出来ていた』

炎が走り、見渡す限り荒れ果てた荒野と墓標のように立つ剣の群、空で回り続ける巨大な歯車

「固有結界・・・ですって?これがあなたの能力?」
紫は唖然とする
「いやこれ自体は俺の能力じゃない・・・俺の能力『創造具現化』で他人の能力を再現しただけだ」

創造具現化・・・ありとあらゆる現象・幻想・物体を再現し不可能すら可能にする能力

「そして終わりだ『無限の剣製(アンリミテッドブレイドワークス)』」

その合図と同時に無限に近い無数の剣が一斉に紫・霊夢・早苗を貫き血飛沫が舞う

「終わったか・・・だが死なれても困る」

そう言い結界を解除した後『創造具現化』の力で傷を塞ぐと去って行った
「それに・・・お前たちだって最初に思い至った方法だろ?アンリにしろ魔王にしろ、シオン自体を何とかすれば解決する・・・たかがそれだけだろ?」

壊の言葉に
紫は、苦々しく表情を歪ませ俯く
それは無言の肯定と受け取った霊夢はさらに目付きを鋭くさせ
「アンタ達おかしいわ!紫もよ、なんでこんなヤツの考えを認めるのよ!」
と怒声が響く
「仕方ないよ、壊が正しいんだから♪世界と人間一人が釣り合うものじゃないしね(シオンに限ってはまた違う世界に転生するだろうけど教える必要もないか)」
いつの間にか、壊の隣に移動したリリスがクスクスと笑いながら言う
そして壊はリリスに
「リリス、紅魔館に行って適当に拐って来て貰えないか?」
「あぁ人質ね?良いよすぐ行ってくる」
リリスの背中から漆黒の翼が現れすぐに紅魔館に向かって飛んでいった
そして壊はリリスが見えなくなったのを確認すると紫・霊夢・早苗を方に振り返る

「それで?結局は邪魔するのか?もししないならお前たちには危害を加えないと約束しよう・・・俺は平和主義者なんでな無駄な争いは嫌いなんだ」

圧倒的な実力を見せつけられた後のこのセリフ
そして大人しくしているだけで異変解決してくれるどころか、新たな危険すら防いでくれる・・・たった一人の犠牲の元に

「邪魔するな?するに決まってるでしょ!」
再び霊夢の怒声が響く
「私はシオンと約束してたわ・・・必ず別の方法を探すと・・・まったくあと少しで破るところだったわ」
紫が覚悟を決める
「誰かの犠牲の上で平和が戻っても幸せなんてありません・・・私も戦います」
早苗もまた覚悟を決める
「そうか、実に残念だ(まったく・・・羨まし過ぎるぞ過去の俺)」
「アンタの目的は何よ?見たところアンリの仲間じゃないのはわかったわ・・・でもなんでシオンまで始末するのよ?」

霊夢は懐に向かって怒声をあげる

それに続き紫も
「また・・・とはどういう事かしら?それに魔王と言うのも説明貰える?」

どうやらアンリと懐のやり取りが終わり冷静に戻ったようだ
「・・・(気がついたらここに居て・・・とんでもない事に巻き込まれた?)」
早苗には新たな混乱が生まれている

霊夢と紫の二人に質問された懐は皮肉混じりの笑顔を浮かべ
「アンリに色々ばらされたから隠しても仕方ないか・・・まず俺の目的は世界平和だ・・・クク・・・そしてシオンは如何なる世界においても魔王に目覚める可能性を持つから始末する」

「そして魔王とは世界を終焉に導く支配者にしてあらゆる悪の体現者・・・元人間からのアンリ・マユを生み出す要因を作った最悪の邪神・・・」

懐に続いてリリスも説明した

「ちょ・・・ちょっとシオンは人間じゃない!邪神とかワケわかんないわよ!」
霊夢の怒声はさらに強くなる
そして懐はため息を吐いた後、呆れたように
「今は・・・な、シオン本人・・・魔王が目覚める為の器だ・・・今回も目覚めるだろうな・・・その時、シオンと言う存在が消え魔王が現れる」