福井県 ファームビレッジSANSAN 農家のオジサン、カフェエプロンをキリっと締める | ニゴロブナ子は里山(さと)に帰らせていただきます!
一週間、中国に行ってさっき帰ってきました。
つっかれたわ~ショック!なんか、今までにないタイプの旅疲れ。
でも、帰国早々明日は月初め。
韓国語サークルのページも更新し、メールにお返事し、ファンジョンミンの動画を観ぽけ~、明日からは通常の生活に戻ります。

みなさま、
しばらく元の生活に適応できずに粗相があっても、どうぞお許しくださいな。
その中国に行く前日までの1泊2日の福井県農家民宿研修ツアーもとても深い感動があり、忘れないようにできるだけ早くアップしようと思います。
とりあえず、一日目にお昼を食べたファームビレッジsansanさんから。


旗ファームビレッジsansan
福井市新保町17-28

すごいネームバリューはないけれど米の他にも野菜や果実を様々栽培している滋賀。
一方、福井は米作中心で野菜や果樹は少ないそう。
長く続く不安一方の米の現状に福井の農家さんがなんとかしなければ、という意欲は並々ならぬものがありました。
今回、2009年9月22日~23日の1泊2日で福井の今立で農家民宿を展開するロハス越前さんを訪ねるツアー。
主催は東近江ハンドシェーク協議会。
東近江で農家民宿をどう進めて行くか、探る体験の旅です。
最初の研修はファームビレッジさんさん。地元産の食材を使ったビュッフェレストランです。
$ニゴロブナ子は里山(さと)に帰らせていただきます!-さんさん全景
まず、レストランを運営している農家の安実さんにお話しを聞きました。
見るからに農家のオッチャンらしい実直な風貌にオレンジのスタッフポロにカフェエプロンスタイル。
あら、ちょっと不思議なマッチング。
以前は「作るだけの人」で「食べるだけの人」だった安実さん。
今は自分達が作った食材をレストランで料理として提供し食の大切さや安全性について責任の一旦を引き受け、語り部にもなっていらっしゃいます。こんな農家のオッチャンは初めて見るなぁ。

「これからは作るだけじゃだめだ」
「生産者も商品に責任を」
「ご飯は今後ご飯粒のままじゃダメだ」

国内の農家が担うべき責任と生き残って行くための道を探った専業農家さんは
今、毎朝4時にレストランの厨房に立ち、米粉パンを作っています。
後でビュッフェで米粉パンを食べたツアーのメンバーは「わ!スゴいモチモチ!」と食感に驚きの声。

米の消費の新しい形で米粉パンに行き着いた安実さん達の出会いはなんと、
私たちの滋賀の糠塚。東近江の皆さんのすぐお近く!
こだわり滋賀ネットワークでも研修でお世話になったし、
糠塚のパンの指導を栗東の中井サンがされていたという、そこが
福井の農家さんの突破口へのヒントになったというのです。
右矢印惣ーつながるブログ:生ごみ循環+ガリ版印刷発明の地+地産地消米粉パン

安実さんは自分たちが農業でのみ生産者であり、それ以外では全くの消費者なのに「農家の感覚」が食に関して目線が消費者と掛け離れていた事に気付きました。
作る側だけの論理を離れる為には農家と消費者が対面できる場所が必要との思いを強めたのでした。
既に直売所だけの時代は過ぎた、そう言われる時期に来ており、何か新しい取り組みを考えなければなりません。

「地元野菜のレストラン!」

農業から製造業、サービス業への転換。
戸惑いも大きかったでしょう。
農業を「今まで通りに守る」のではなく時代の変化に取り残されず、
しかも本分を見失わないで活かしたいという挑戦への強い覚悟を感じました。
ニゴロブナ子は里山(さと)に帰らせていただきます!-ビュッフェ風景ニゴロブナ子は里山(さと)に帰らせていただきます!-メニュー

地元野菜で作った昔から地元で食べ継がれている味を、と並べられたSANSANのビュッフェメニュー。
安実さんのお野菜で作ったカレーと、お野菜の生産者の名前が書いてあります。
自分の作った野菜を食べる人々の顔に日々接するようになった事で安実さんの世界は広がり、やりがいも大きくなったのではないかしら、と思いました。

安実さんは早朝からパンの仕込みをし、昼間もレストランで働いています。
そして田畑で野菜や米を作って直売所にも出荷する。
いったい安実さんは何人分働いていらっしゃるのだろう。。。いや、私が1/3人分しか働いていないという事?
地域が一丸となって取り組めるのが理想なのですが、躊躇する人もいらっしゃる。
でも、こうして先鞭を付ける事で引き続いて農業に新しい風を取り込もうとチャレンジする人は
ぐっとやりやすくなっていくのではないでしょうか。  

消費者と生産者が共に身近な存在になる事。
それが地域の安全や子供の教育につながるのではと安実さんは語っていらっしゃいました。