未来の会が発足したのは1998年の初夏でした。
当時のことを知る人がほとんどいなくなってしまうようなので、
ここに最初の頃のことを書いたブログを再掲します。
「不登校やひきこもりの子どもと共に歩む会」について
未来の会は、発足当初から「不登校やひきこもりの子どもと共に歩む会」と称しています。
ひょっとしたら、最初は「不登校の子どもと共に歩む会」としていたかもしれません。
「親の会」としなかったのは、世話人を引き受けた私が
不登校の子の親の立場ではなかったからです。
身内や友人の子が相次いで不登校となり、色々話を聞いているうちにその苦悩が身につまされ、
同時にあれこれと本を読んだり情報を集めたりして、
同じ悩みを抱える人同士が話し合う場が必要だろうと思いました。
恵庭市内での不登校の子を持つ親の4人と出会い、会を発足させることになった時、
会の名前はその親の一人が
「子どもの未来を信じるという意味で『未来の会』はどうかな」と提案してくれて、
すぐにその名前が決まりました。
しかし、市の広報で開催を知らせようにも「未来の会」だけでは何が何だかわからない。
それで、説明を含めて、ちょっと長いけれど
「不登校やひきこもりの子どもと共に歩む会『未来の会』」としたのです。
当初は、不登校などに関心や理解のある人も参加してもらおうと考えたこともあります。
しかし、関心を持つ人の参加が増えてくると、当事者が話しにくくなる傾向があるので、
やがて午前中は親や当事者のみ、午後からは参加希望の連絡を受けた人に人数を制限して、
午後から参加してもらうという現在のスタイルになりました。
さて、わが子が学校に行かなくなったからといって、
すぐに親の会に参加するのは、本当に少数です。
(自分も不登校経験者であったり、身内にそのような体験と親の会についての知識がある人)
ほとんどの親は、毎日「今日は行くかも、いや明日は…」と期待と不安と焦りの時期を過ごし、
打てる手を尽くした後に、おそるおそる親の会に参加することが多いでしょう。
これほど不登校の子ども達が激増しているのにもかかわらず、
その状況は20年前とあまり変わりがありません。
私は、親の会に参加して自分の心にパンパンに詰まった不安や悩みや焦りを吐き出すことは
心にゆとりを持つためにはとても大切なことだと思っています。
語り尽くした後に、それまで頷きながら聞いてくれた人、涙を流している人からの
「辛いよね。私も同じだった…」「よく一人で頑張ってきたね…」などの言葉に
心からの安堵と、同じ思いを抱く人がいるという実感、孤独感からの解放を感じるでしょう。
その時間があった後に、経験者からのアドバイスがあれば、スッと受け入れることもできるでしょう。
そんな時、親の会には専門家のアドバイスはいらないんだということを
何度も感じることがありました。
だからこそ、私のように体験も資格もない世話人がいてもいいんだと思えたのです。
しかし、同じアドバイスでもその人の状態によっては辛い一言になる時もあります。
ほとんどの親は、「自分の子育てが間違っていたのでは」と自分を責める気持ちがありますから、
アドバイスも自分が責められているように感じる場合もあるのです。
それでも、多くの親はその辛さを飲み込みながら、自分がわが子のために何ができるかを
必死に考えていることが多いのです。
しかし、大勢の不登校の親の中で、このような会に参加する人は相変わらず少数のように思います。
なぜ親が集う会に参加する人が少ないのかと、長年考えたり悩んだりもしましたが、やはりそれは人それぞれ。
ひょっとすると、同じ地域の親の会には知った人がいるかもしれないと躊躇する人もいるでしょう。
世話人代表の名前を見て、「あの人には知られたくない」と思う人もいるかもしれない。
また、親の会で話すだけでは自分の子どもの不登校は解決できないと考える人もいるでしょう。
確かに、親の会に参加したからと言って、お子さんがすぐに登校するようになることはほとんどありません。
不登校状態は、親にとっては突然かもしれませんが、
子どもの立場からは
「ずっと我慢し続けて、疲れてきて、それでも親には心配かけたくなくて頑張って、
ある時ちょっとしたきっかけで、耐え続けていたつっかい棒がはずれて立ち上がれなくなった」のです。
そんなに短期間で学校に行けるようにはならないし、
そもそも学校に行くことがその子の最善とも限りません。
親の会で安心して自分の思いを吐き出し、語り合い、それまでの「学校信仰」の価値観を見直し、
自分自身の価値観や生きる意味を考える中で、新しい自分自身や子どもの姿、
そして家族のあり方について新しい気付きがあることが、とても大切なことだと思います。
親の会に参加することが一番大切なんて言いません。
親の会も最近はあちこちで開催されているし、「未来の会」のようにホームページを開設している会もある。
もしも参加したいと思っていらっしゃるなら、試しにどこかに気軽に参加したらどうでしょう。
参加してみて、自分には合わないと思ったら無理して行き続けることもありません。
会にはなかなか参加できないけれど、この人ともっと話してみたいと思ったら、
世話人や代表の人にお願いしたら、きっとつないでくれますよ。
新しいネットワークを紡ぐのは、子どものことは関係なく、自分の世界を間違いなく広げてくれるはずです。
最近ではネット空間の親の会も色々あるようです。
不登校の子どもや親へのアドバイスも、ネット検索したら沢山見つけられます。
でも、ネット上の情報は玉石混交ですから、注意も必要です。
「こうすれば不登校が治る」とか、「親がこうしたら学校に行くようになる」などの言葉は要注意です。
早く登校してほしいという思いは、効果が早いように感じる言葉に引き付けられますが、
実はそれがこじらせてしまうことにつながることだってあるのです。
また、占いやスピルチュアルな話、信仰によって何とかなるというのもまずは疑ってみてください。
決して個人の信仰を否定するものではないですが、苦しい時こそ冷静な判断が大切なのですから。