先日のブログでご紹介した、西埜馬搬さんの仕事の紹介動画です。

 

【探訪】「イオルの森」優しく守る馬搬の力

凍てつく森のなか。チェーンソーの音が鳴りやみ、ナラの木が倒れると地響きと同時に雪煙が舞った。すぐ近くで草を食む馬はびくともしない。  「うちの馬たちは皆、素直で優しいですよ」と、北海道厚真町で馬を使って木材や荷物を運ぶ「馬搬」を営む西埜将世さん(43)は語る。
  広葉樹が群生する「イオルの森」(北海道平取町二風谷地区)。「ゴー!」。西埜さんの声で馬が動き始めた。運搬する間伐材は、重さ約300~500㌔もあるが、雪道をものともせず仮置き場まで力強く運ぶ。
  昭和40年代以降衰退していた馬搬が北の大地で息を吹き返している。重機と比べスピードでは圧倒的に劣るが、山の土壌を荒らすことなく、狭い木々の中もすり抜けることができるため環境に優しい。積雪時の方が木材が滑りやすく、馬に負担が掛かりにくいという。 
 「馬搬は森を傷つけず優れた木を成長させることができる」と、森の再生事業に携わる北海道科学大の岡村俊邦名誉教授(72)は話す。
  「イオルの森」の「イオル」とはアイヌ語で「狩り場」の意。かつて森にはアイヌの人々の生活に欠かせないオヒョウの木が生い茂っていた。オヒョウからは樹皮の繊維を利用し、伝統ある「アットゥシ」(着物)が作られてきた。
  現在、その木も開拓や開墾のため伐採され、わずかとなった。平成20年、平取町は、アイヌ文化の伝承と普及のため「イオル再生事業」を始めた。その一環として4年前から冬の間伐作業で馬搬が導入され、夏には植樹も行われる。未来に向けた森の保全に生かされている。
  夏はブドウ畑で馬耕も行う西埜さん。「馬の力は侮れない。まだまだ活躍する現場はある」。寒い日も暑い日も、愛馬たちとともに自然との共生を目指していく。 (写真報道局 納冨康)
 
自然と動物と人間の優しい関係と共生が、今の時代にこそ見直さなくてはいけないのではないでしょうか。
自然と動物と触れ合う中で、子どもは生き物として健全に育つような気がします。
もちろん、様々な動植物との共生と相互作用がなくては、人間は生きることができないのです。