北海道では夏休みが終わり、新学期が始まりました。

本州はこれから新学期へのカウントダウンが始まります。

毎年この時期には、子ども達が自ら命を絶つニュースが流れるので、

私も毎日新聞記事やネットニュースを気にしてしまいます。

 

一学期、やっとの思いで行くことが辛くなってきた学校への登校を続け、

夏休みになってホッとしたのも本人にしたら束の間のこと。

やがて夏休みの終わりが近づいてきて、学校に行かなくてはならないという気持ちで、

次第に心の元気がなくなってしまう。

それでも子ども達は「学校は行かなくてはならないこと」と思っているし、

親だって新学期が始まったら子ども達は元気に登校すると信じている。

学校が辛くなる原因は人それぞれで、

時には本人にすらなぜ学校がイヤなのかはっきりしないこともある。

それに、夏休みには必ず宿題があり、早めに宿題を終わらせる子は多分少数派。

真面目な子なら、宿題がちゃんと終わっていないだけでもう苦しくなるかもしれません。

 

子どもは自分の悩みや不安は、そう簡単に親には話さないものです。

何よりも、お父さんやお母さんに心配はかけたくないし、

自分の不安を過小評価する傾向があります。

「こんなことで悩むのは自分が弱いから」「宿題が終わらないのは自分が悪いから」

「一学期には友達に嫌なことをされたけど、あれは自分の思い違いかも」

とにかく、嫌なことを自分のせいにしようとしたら、次々と原因は自分にあるという気持ちになるものです。

 

もしも、お子さんが夏休みの終わりが近づいて次第に元気がなくなってきたら、

「何か心配事でもあるの?」と聞いてあげてください。

学校が始まってから行きしぶりがあったら、

やはり「学校に行きたくないのかな?」と聞いてあげてください。

少しでも本音に近いことを話してくれたら、絶対に否定せずにじっくり聞いてあげてください。

聞きながら、自分にもそんな気持ちになったことがなかったか、遠い昔を思い返してください。

繊細な心を持つ子どものお父さんやお母さんなら、

「学校に行きたくない」「担任の乱暴なことばが怖い」「宿題が終わっていない」

「友達に無視されているような気がする」などと、

何かしら学校でストレスを感じた経験があるはずです。

多分不登校にもならず乗り越えてきたかもしれませんが、

親御さんの子ども時代と現代では随分環境も友達関係も、

もっといえば学校の体制も変わっているのです。

 

自分の気持ちを理解しようとするお父さんやお母さんだと思えたら、

まず子どもの心に安心感が生まれます。

そして、お父さんやお母さんは自分の味方だと確信したら、

もっと正直なことを話してくれるかもしれません。

 

とにかく、何かお子さんに気になる様子があったなら、その気持ちを聞いてあげてください。

親にも話せない、正直なことが話せる友達もいない、悪いのは自分だと思い込んでしまう、

その先にあるのは絶対的な孤独感です。

世界中に誰一人自分の気持ちを理解してくれる人はいないだろうと思い込んでしまうと、

その次に何を考えてしまうのか。

 

どうぞ、この季節に悲しいニュースが流れないようにと願っています。