ハイパワーこそ正義! ちょっと前の大排気量セダン5選

我武者羅
2019/08/12 12:24

ハイパワーこそ正義! ちょっと前の大排気量セダン5選

くるまのニュース
2019/08/12 06:30

省燃費と環境性能のために小排気量ターボの「ダウンサイジングエンジン」が増えています。しかし、レスポンスが良く上質な加速感は、排気量の自然吸気エンジンが勝ります。そんな大排気量エンジンのセダンを5車種紹介します。

大排気量エンジンならではの上質な加速

 近年では省燃費、高い環境性能実現のために、気筒数を少なくして排気量の小さくしたエンジンに、ターボチャージャーやスーパーチャージャーを組み合わせて、高出力を両立する「ダウンサイジングエンジン」が増えています。

いまや少数派の大排気量のNAエンジンを搭載したセダン

 ところが、エンジン回転数の上昇に合わせたリニアなパワー感や、段付きのない上質な加速感では、排気量の大きな自然吸気(NA)エンジンのほうが上手です。

 とくにセダンタイプのクルマにとって、普段はジェントルに振舞いながらも必要な時に気持ちよくパワーを引き出せる、大排気量NAエンジンは大きな魅力です。

 そこで、少し前に販売していた大排気量NAセダンを5台ピックアップして紹介します。

●日産「スカイライン 350GT」

「フェアレディZ」の心臓を持つ「スカイライン 350GT」

 2001年に発売された11代目日産「スカイライン」は、従来からスカイラインに搭載してきた直列6気筒エンジンからV型6気筒エンジンにスイッチし、インフィニティブランドの高級セダンを目指して、完全な新規モデルとして開発されました。

 当初、搭載されたエンジンは同時期の「セドリック/グロリア」の2.5リッターと3リッターを改良したもので、縦置きフロントミッドシップに搭載し、スポーツセダンとして理想的な前後重量配分を実現。

「インフィニティ Gシリーズ」に相応しいものでしたが、古くからのスカイラインファンからは、V型エンジンと空力性能を重視した曲線的なボディデザインは「これはスカイラインではない」と酷評されました。

 ファンには不評だったV型6気筒化でしたが、2002年になると「エルグランド」用の3.5リッターV型6気筒をチューニングしたエンジンと、パドルシフトによる8速相当の変速が可能なCVTを組み合わせ、専用の味付けのサスペンションやブレーキなどを備えた「350GT-8」が追加ラインナップされました。

 さらに、2003年になると6速MTも選べる「350GT」シリーズが登場しました。

 最高出力272馬力、最大トルク36.0kgmのスペックは、排気量の恩恵でゆっくりとジェントルに走らせることや、6速MTを介してスポーティに走ることも可能です。

●スバル「レガシィ 3.0R Spec B」

国産乗用車では唯一無二の存在だった水平対向6気筒の「レガシィ 3.0R Spec B」

 2003年に登場した4代目スバル「レガシィ」は、ボディサイズが拡大され3ナンバーサイズ化されたことや、等長エキゾーストマニホールドの採用により「ボクサーサウンド(スバルの水平対向エンジン独特のエキゾーストサウンド)」が消えたことで、より上質な高性能4WDセダン/ワゴンとなりました。

 4代目レガシィでは先代から引き続きターボモデルがメインでしたが、エンジンの改良により、上質さは大きく進化していました。

 その上質さをさらに高めたのが、追加ラインナップされた3リッター水平対向6気筒エンジンを搭載する「3.0R」です。

 最高出力250馬力、最大トルク31.0kgmを発揮するエンジンは、2リッター4気筒ターボエンジン搭載車とは違った上質さを持ち、車両重量1460kgのボディをエレガンスに走らせることも可能でした。

 さらに2004年には、専用チューニングのビルシュタイン製ダンパーや、専用の外装パーツ、18インチホイールを備える「3.0R Spec B」が登場します。

 エンジンのスペックは3.0Rと同じで、低回転からスロットルを踏み込んでいくと気持ちの良い加速を伴うものでした。

 6速MTのみが組み合わされていた(後に5速ATも追加)のは、水平対向6気筒エンジンの心地良さを味わってほしいという、スバルからのメッセージだったのでしょう。

●メルセデス・ベンツ「500E」

派手さはないが迫力満点だったメルセデス・ベンツ「500E」

 日本がバブル景気の真っ只中だった1989年に発売された、メルセデス・ベンツの高級スポーツカー「500SL」は、当然のように商業的に成功しました。

 そこで、メルセデス・ベンツは、500SLのエンジンを搭載するスポーティセダンとして、1991年に「500E」を発売します。

 5リッターV型8気筒エンジンは、最高出力330馬力、最大トルク50kgmのスペックで、1700kgのボディながら0-100km/h加速6.5秒、0-400m発進加速では14.8秒で駆け抜ける、当時のスポーツカーも顔負けの俊足さでした。

 フロアパネルやバルクヘッドはV型8気筒エンジンを収めるために拡大され、サスペンションやトランスミッションは500SL用などを流用。

 大径のベンチレーテッドディスクも500SLからの流用で、フロントのブレンボ製4ポットブレーキキャリパーは「190E 2.5-16」のパーツが使用されていました。

 外観ではトレッドを拡大したことでワイドになったフェンダーと、前後バンパーが500Eの証となりますが、派手なエアロパーツもなく、外観から秘められた性能を想像できる人は少なかったと思います。

 500Eはポルシェに開発依頼したことから、そのブランド力の高さで日本では人気となりましたが、ターゲットとしていたアメリカでは振るわず、日本国内への正規輸入台数と並行輸入台数を合わせると、総生産台数の3分の1が日本に入ってきたともいわれています。

日欧を代表するスーパーセダン

●BMW「M5」

F1テクノロジーが注がれたV10エンジンを搭載したBMW「M5」

 1972年にデビューしたBMW「5シリーズ」は豊富なエンジンバリエーションを持つクルマで、初代のモデル末期には3.5リッターエンジンを搭載した「M535i」が追加されました。

 2代目5シリーズでは286馬力を発揮する3.5リッター直列6気筒エンジンを搭載する「M5」が発売され、当時の世界最速4ドアセダンの名をほしいままにしました。

 その後、5シリーズがモデルチェンジを重ねるごとにM5も進化し、5代目5シリーズのM5では、F1のテクノロジーがフィードバックされた、新開発の5リッターV型10気筒エンジンを搭載。

 最高出力507馬力、最大トルク53.0kgmを絞り出す高回転型ユニットで、どこまでもエンジンが回り続けそうな息の長い加速を楽しめ、0-100km/hを4.7秒で出すモンスターマシンでした。

 ただし、常に507馬力を出せるわけではなく、エンジン始動時には最高出力を400馬力に設定した快適性重視の「P400パフォーマンスプログラム」が自動的に作動し、507馬力モードにするには「P500プログラム」を作動させる必要がありました。

 5代目5シリーズは、エッジの効いたスポーティなボディラインを持ちながら、品のある外観のセダンでしたが、M5では専用のエアロパーツや専用アルミホイールなどが採用され、オーソドックスそうに見えても強い存在感を持ったクルマに仕上がっていました。

●レクサス「IS F」

ベース車の2倍となる排気量のエンジンを搭載した「IS F」

 レクサス「IS」は、1998年にデビューしたトヨタのスポーティセダン「アルテッツァ」のレクサスブランド版として、1999年に海外市場に投入されました。

 ISはレクサスのエントリーモデルとして人気を集め、2005年に日本国内でもレクサスブランドの本格展開を開始すると、2代目ISが登場。3.5リッターエンジンを搭載する「IS350」と2.5リッターエンジンの「IS250」を発売しました。

 トルクフルな3.5リッターエンジンを搭載したIS350でも十分に俊足でしたが、2007年にはレクサスのプレミアムスポーツブランドである「F」を冠した「IS F」が登場します。

 Fは「富士スピードウェイ」やトヨタの開発拠点である「東富士研究所」に由来するもので、ISをベースにしていながらも、外観は前後ドアやトランク、ルーフパネル以外は作り直され、専用のサスペンションによって、日本仕様では味わえない超高速域でも、安定した走りを実現しています。

 エンジンはトヨタとヤマハの共同開発による5リッターV型8気筒で、最高出力423馬力、最大トルク51.5kgmと大パワーを発揮。

 組み合わされるトランスミッションは、2速から8速までがロックアップ機構により直結され、マニュアル車のようなダイレクトなフィーリングが味わえる「8-Speed SPDS(Sport Direct Shift)」を採用。

 一度スロットルを深く踏み込めば0-100km/h加速5.1秒の世界に、約1700kgの車重を感じることなく飛び込むことができます。

大人以上に注意を! 乳幼児がなる「ベビーカー熱中症」の症状・サイン・対処法

巾着先生
2019/08/12 12:15

大人以上に注意を! 乳幼児がなる「ベビーカー熱中症」の症状・サイン・対処法

オトナンサー
2019/08/12 06:10

ベビーカーの子どもと親との体感温度の違い(アサヒ飲料「ベビーカー熱中症予防・レスキューMAP」より)

 30度以上の真夏日が増え、厳しい暑さが続く日本では、熱中症対策の意識が年々高まっています。中でも熱中症のリスクが高く、大人以上に注意が必要とされているのが、体温調節が未発達な「乳幼児」です。特に近年、ベビーカーに乗った乳幼児が熱中症になる「ベビーカー熱中症」のリスクについて広く注意が呼びかけられています。ベビーカー熱中症について、サニーガーデンこどもクリニック院長で小児科医の首里京子さんに聞きました。

大人が32度なら子どもは35度以上

Q.まず、熱中症について詳しく教えてください。

首里さん「熱中症とは、体内で生み出す熱と体外へ放出する熱のバランスが崩れ、夏の暑い環境に体が適応できない状態の総称です。乳幼児は成人と比べ、バランスを取る体温調節機能が未熟なため、熱中症のリスクが高いといわれています。体の熱の出入りに関係する気象条件は、気温(周りの空気の温度)、湿度(空気に含まれる水蒸気量に関係)、風速、太陽からの熱や地表面での反射による熱などです」

Q.「ベビーカー熱中症」とは、どのようなものでしょうか。

首里さん「乳幼児が、より地表面に近いベビーカーに乗っている状態のとき、地面からの反射熱の影響を直接受けてしまうことで起きる熱中症のことをいいます。乳幼児の熱中症は、軽症の場合、顔の赤みや大量の発汗、体温上昇、尿が濃くなるなどの症状がみられます。中等度の熱中症では、嘔吐(おうと)や不機嫌、哺乳不良、尿量の低下などが起こり、重症化すると意識障害やけいれんを起こします。

環境省の熱中症予防情報サイトによると、例えば大人の背の高さ(150センチ)で気温32度の場合、ベビーカーに乗った子どもの高さ(50センチ)では35度以上になるとされています。直射日光を避けるために日よけのカバーを使うと、風通しが悪くなり、ベビーカー内に熱や湿気がこもってしまいます。

また、ベビーカーの下にあるスペースには、つい荷物をたくさん乗せてしまいがちですが、あまり詰め込みすぎるとさらに風通しが悪くなるので、暑い日の長時間の外出時には注意と工夫が必要です」

Q.ベビーカーと抱っこひもについて、夏場におけるそれぞれのメリット/デメリットは何でしょうか。

首里さん「ベビーカーと抱っこひもには、それぞれに次のようなメリットとデメリットがあると考えられます。ただし、『どちらが危険で、どちらが安全』ということはないため、小児科医としてどちらかを推奨するのは難しいです。いずれの場合も、こまめに子どもの様子を見る、涼しいところで休憩を入れるなど、常に注意することが不可欠です」

【ベビーカー】

抱っこひもと比べて風通しがよく、子どもの顔色や全身を確認しやすい点がメリットといえます。一方で、地表面からの熱の影響を受けやすいのがデメリットです。例えば、親が気温30度を「暑い」と感じたときには、ベビーカー内は「+2度」になっています。また、入眠中などは親が意識して定期的にベビーカー内をのぞき、顔色や汗の状態などを確認する必要があります。

【抱っこひも】

ベビーカーとは異なり、親と同じ高さにいるので親が感じる暑さ指数と変わらず、地表面からの影響は同じです。また、親と密着しているため、様子の異変にも気付きやすいでしょう。しかし、密着しているがために熱がこもりやすく、体温が容易に上がりやすいといえます。また、抱きかかえているため、全身の様子を確認することが難しいです。

「顔が赤い」「息が荒い」は要注意

Q.乳幼児の熱中症にいち早く気付くためのサインはありますか。

首里さん「水分調整機能が未熟な乳幼児は、体の外に水分が出ていくのが早いため、大人よりも早く水分を摂取しなければなりません。しかし、小さな子どもの場合、自分で喉の渇きを訴えることが難しいです。そのため、『いつもと違う』サインを見過ごすことがないよう親が注意する必要があります。次のような様子がみられる場合、水分が足りていない可能性があるサインです」

・顔が赤い

・息が荒い

・元気がなく、バテているように見える

・呼びかけても、いつものように反応しない

・尿の量や回数が少ない

・尿の色がいつもより濃い

・水分を取るのを嫌がる

Q.ベビーカーに乗った乳幼児に熱中症と思われる症状が出てしまった場合、親はその場でどう対処すべきですか。

首里さん「まずは、涼しいところや風通しのよい場所に移動して、上がった体温を下げましょう。汗や尿として失った水分、塩分を取らせることも重要です」

Q.夏場にベビーカーを使う際、どのような工夫をするとよいですか。

首里さん「直射日光を避けるため、ベビーカーの上にタオルなどをかけている光景を時々見ますが、風通しがよくなるよう、薄めのタオルを選ぶようにしましょう。すやすやと眠っているときにも、『大量に汗をかいていないか』『顔色は大丈夫か』など、様子をこまめに確認することが大切です。雨が降っている場合、雨よけのビニールは熱や湿気がこもるので、より細かい注意が必要です。

最近では、ベビーカーに装着できるようなハンディータイプの扇風機などもありますし、保冷剤も準備しておくといいかもしれません。お出かけの際には、水分補給のための飲み物を最低1人500ミリリットル以上は準備するようにしましょう」

Q.ベビーカー熱中症のリスクは知りつつも、「荷物が多い」「子どもがぐずる」など、夏場の外出時にどうしてもベビーカーに頼らざるを得ない親も少なくないようです。

首里さん「ベビーカーは、小さなお子さんがいる家庭にとってのマストアイテムです。最近は風通しのよい軽量のものや折り畳めてコンパクトになるものなど、利便性も非常にアップしています。一方で、『ベビーカーを使って外出すると、入れる店が限られてしまう』など悩みも多いと思います。

最近では、アサヒ飲料と百貨店、飲食店などが協力し、ベビーカーで入ってクールダウンできるスポットをまとめた『ベビーカー熱中症予防・レスキューMAP』が作られるなど、夏場のベビーカーでのお出かけに配慮する動きも出てきているようです。『暑い』と感じたら、涼しい場所に移動して体を冷やすようにしましょう。

小さなお子さんは、言葉で自分の体調を伝えることができないため、大人が気付いてあげる必要があります。子どもは、大人以上に細かい観察が必要になることを忘れないでください」

大人になって発覚も…油断できない食物アレルギー

巾着先生
2019/08/12 12:12

大人になって発覚も…油断できない食物アレルギー

10 M TV オピニオン
2019/08/12 00:00

●食物アレルギーは子どもだけではない

 2012年12月20日、東京都調布市の小学校で食物アレルギーを持つ児童が給食後に亡くなりました。児童は乳製品にアレルギーがありましたが、担任が充分な確認をしないまま給食に出されたチーズを食べさせてしまったため、アナフィラキシーショック(複数の臓器に同時多発的に急激なアレルギー反応が起きる症状)を起こしたことが原因と考えられています。TVやネットのニュースで大きく報じられたので、覚えている方も多いのではないでしょうか。

 最悪のケースに至らなくても、近年は小中学校で児童生徒がアレルギー反応を起こして救急搬送される例が多く見られます。しかし、「アレルギー疾患は子どもが発症するもの」という考え方は大きな間違いです。たとえばアレルギー疾患の代表格といえる花粉症の発症ピークは20・30代で、大人になってから発症する人がほとんど。これは、アレルギーを引き起こす原因となるアレルゲンに対抗する抗体が、体内に蓄積されることで発症するためです。アレルゲンに触れる量や抗体の生成量が少なければ発症までに時間がかかり、大人になって急に症状が出るというわけですね。

 もちろん食物アレルギーも、大人になってから突然症状が起きるケースは珍しくありません。それではどんな食品がアレルゲンになりやすく、どんな人がアレルギー反応を起こしやすいのでしょうか。

●アレルギー症状が出やすい食品・体質

 食物アレルギーは、免疫を司る細胞が食品に含まれるたんぱく質を異物と認識して、過剰な防衛反応をするため起こります。ということは、ほとんどがたんぱく質の肉類はまっさきにアレルゲンになりそうですよね。しかし現実的には、肉類のアレルギーを持つ人は比較的少数です。これは、牛・豚・鶏などの筋肉構造が人間と似ていることから、異物と認識する可能性が低いためと考えられています。

 よく見られる食物アレルギーのアレルゲンは卵・牛乳・小麦で、この3つだけで食物アレルギー全体の約3分の2を占めます。「子どもの3大アレルゲン」ともいわれますが、実際には全年齢で発症率が高く、大人も例外ではありません。このほか大人になると増えるのがエビ・カニなどの甲殻類、キウイ・桃などの果実のアレルギーです。果実のアレルギーは花粉症と併発することが多く、一説では果実と花粉に似た構造を持つ物質が含まれるからともいわれます。ジャムや缶詰のような加工品だと症状が出ない人もおり、同じ果実でも発症条件は千差万別です。

 とはいえ、同じものを食べてもアレルギー反応が起きる人と起きない人がいるのは不思議ですよね。その謎を解く鍵を握るのが、IgE抗体という免疫物質。実は、免疫細胞が「過剰な防衛反応」をするときにつくられる物質なのです。本来、IgE抗体は体内に侵入した細菌やウィルスなどを排除する重要な役割を持ちますが、あまり多くは存在しません。ところが、IgE抗体を過剰に生成してしまう体質の人もいて、このようなアレルギー反応を起こしやすい人が「アレルギー体質」と呼ばれます。

 アレルギー体質になる原因には、2型ヘルパーT細胞(Th2細胞)という免疫細胞の一種が深く関わっています。このTh2細胞がIgE抗体をつくるよう指示するためです。しかもTh2細胞はアレルゲンの情報をしっかり覚えるため、次に同じアレルゲンがやってくるとさらにIgE抗体がつくりやすいシステムを組み上げてしまいます。こうしてアレルギー反応は何度も繰り返すのです。

 Th2細胞は清潔すぎる環境で乳児期を過ごすと増えやすいという研究結果があります。近年の日本ではなんでも除菌消毒が当たり前になっていますが、少し非衛生的な生活をすることもアレルギー体質にならないためには必要なようです。

●「食物アレルギーかな?」と思ったら

 アレルギー反応の具体的な症状には、皮膚ならかゆみ・じんましん・湿疹など、呼吸器なら喘息・ヒューヒューというような喉の雑音・声がれなど、粘膜なら目のかゆみ・くしゃみ鼻水・口や喉のイガイガ感など、消化器なら吐き気・腹痛・下痢などがあります。なにかを食べたあとにこのような症状が出たら、食物アレルギーかもしれません。

 ただし、食物アレルギーには食後すぐに症状が出る「即時型」と、数時間から数週間後に出る「遅延型」があるため、自己判断でアレルゲンを決めつけて避けるのは賢明ではありません。たとえば本当は小麦の遅延型アレルギーで、その症状が出る直前に卵を食べたために卵の即時型アレルギーと誤解して、卵を避ける生活を送ったら……。無意味なうえに、本当は避けなくてもいい卵が食べられないストレスにも耐えなくてはなりませんよね。

 食物アレルギーかもしれないときは医療機関でアレルギー検査を受けましょう。アレルゲンがよくわからないときは、複数の種類を検査してもらうことも可能です。採血だけで30項目以上がわかる検査もあるので、医療機関に問い合わせてみてください。内科、皮膚科、アレルギー科や子どもなら小児科などで受けられます。

 アレルゲンが判明すれば、それを避けることでアレルギー反応を抑えられます。気になる症状があるときはしっかり対処して、快適な毎日を送ってくださいね。

<参考サイト>

・サワイ健康推進課 油断できない 大人のフードアレルギー

https://www.sawai.co.jp/kenko-suishinka/theme/201508.html


・佐々総合病院 食物アレルギー

http://www.sassa-hospital.com/specialty/allergy.html


・東京顕微鏡院 実際に起こった食物アレルギー事例

https://www.kenko-kenbi.or.jp/science-center/foods/topics-foods/10055.html


・HelC+ なぜ大人になってから発症するの?

https://www.health.ne.jp/library/detail?slug=hcl_3000_w3000861&doorSlug=pollen


・国立生育医療研究センター 私たちの生活とアレルギー

http://nrichd.ncchd.go.jp/imal/Publication/0702Saito_SeibutsuZuroku.pdf


・味の素株式会社 食物アレルギーの仕組みって?発症したらどうする?

https://www.ajinomoto.co.jp/products/anzen/know/f_allergy_01.html