マジすか学園外伝 センター編 第93回 | くさだいらのマジすか学園 (小説)

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手紙を読み終えたセンターは、本当の真実を知ることになった。



紗理奈が言っていた恨みの根源というのは、愛する妹に一緒にいたくないという言葉が原因で両親が離婚し、家族が離れ離れになったことだと感じた。



それは愛する者たちからの裏切りだと、紗理奈が感じたとしてもおかしくない。


中学時代にセンターが刺したキッカケを作りながらも、センターが両親の血液型からは生まれるはずのないB型だと知った紗理奈は登に話を聞きに行き、そこで登から全ての真実を聞いたはずだ。



その瞬間、怪物は目覚めて紗理奈は登を殺めたのではないかとセンターは感じていた。



紗理奈にとってセンターが本当の姉妹じゃなかったという真実は、どうでもいい事だったのかもしれない。


その答えを知る者は紗理奈しか、あるいは誰にもわからない事なのかもしれない。




この手紙を読み終え、紗理奈への恐怖が無くなった訳ではない。この悲しい真実から、少しだけ紗理奈を知ることができた。


そして、母親に捨てられたとずっと想い続けたり、父親に微かな殺意を持った自分が恥ずかしく感じたセンター。



センターの表情が和らいだようだと警部補と若田は感じた。




警部補「それでは我々は、捜査がありますので失礼します」




警部補が頭を下げた直後、若田も頭を下げた。



センター「……高橋さん」頭を上げる警部補と若田。「……もし紗理奈が……いや、なんでもありません」


警部補「……そうですか」





警部補はもう一度会釈をし、病室を去って行った。



そして、扉の横にあったソファーにネズミが座り、病室から出た警部補の姿を確認するなり、軽く会釈をしてから病室へ入った。


病室に入ったネズミは、センターの表情の変化に気付いた。


ネズミ「お前、さっきよりなんかいい顔してるな」


センター「まあ、いろいろあったんだ」





顔を合わせた2人の表情には、笑顔があった。

少なからず、今なら紗理奈と向き合えるような気がしたセンターだった。





警部補と若田が病院の出入り口へ向かう際、病院の待合室を通ったときだった。




?「黒崎は捕まりそうですか?」




警部補はこの声を聞いた瞬間、あの日非通知で警部補にタレコミをしてきた男の声と同じで、そして声の正体も誰か察した。



2人は声の方向へ視線を向けた。



視線の先にはソファーに深々と座り、顔を隠すように新聞を広げる人物がいた。