マジすか学園外伝 センター編 第91回 | くさだいらのマジすか学園 (小説)

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人影はないがまだ花の咲いていないチューリップ畑の中から、確実に何者かの気配を感じる警部補。




警部補は先頭をきってチューリップ畑を進んで行った。すると微かに血の臭いがし、臭いの方向へ向かった。


そして、臭いの先には倒れて意識のないセンターがおり、右目からは刃物のような物で傷つけられたのか、血が流れだして危険な状態だと警部補は感じた。



高橋班で一番若い刑事に救急車を呼ばせ、警部補と他の刑事は黒崎がまだ遠くへは行っていないと判断し、チューリップ畑以外を含め公園中を捜索したが、紗理奈を見つけることは出来なかった。


近くの所轄署にも応援を要請して、街中を捜索したが結局紗理奈は見つける事はできなかった。





センター「そうですか……紗理奈は捕まっていないんですか」




センターが恐怖に支配され、紗理奈を圧倒した。しかし紗理奈が右目を切りつけて支配された恐怖から我を取り戻したセンター。


あまりの痛みで意識はもうろうとしていたが、紗理奈が意識を失って倒れる寸前に紗理奈は“こっちに来ちゃダメだから。……でも私は……”と言っていたことが気になっていたセンター。


“こっち”とは何を指しているのだろう、そして“私は……”の先は何だったのだろうか。だが一つ言えるのは、センターはまだ紗理奈の恐怖から解放されていないということだ。



それを感じたセンターの手は静かに震えだす。



すると、その震えるセンターの手を、警部補は両手で包んみ、震えは穏やかになる。



警部補「……もうアナタに危害は加えさせません。黒崎は絶対に逮捕します。……それから……」警部補は包んだ両手を離し、ある封筒を取り出しセンターに差し出す。「……これはアナタのお母さまが亡くなる前に、アナタに向けて書いたと思われる手紙です」



センター「……お母さんから私への手紙?」




路代からの手紙だと分かるや、封筒を受け取るセンター。



封筒には路代の字で“珠理奈へ”と書かれ、路代が亡くなる3日前の日付も書かれていた。



警部補「……実は黒崎の他に、亡くなったお母さまの遺留品も一緒に捜査資料として保管していたのですが、その中にその封筒が有りました。我々の見落としです、大変申し訳ありません。ですが、中身は見ておりません」



封筒を開封して、中に入ってある半分に折られた手紙を取り出すセンター。