2月15日は、父の誕生日である。
この日は、父の入所している札幌の老人ホームに行って麻雀をすることになっていた。
それは父の一番の楽しみだった。
でも、その日を待たずに、2月3日の朝、父は突然、あの世へ旅立った。
私は初めて、喪主というものを体験し、父の死後の色々な手続きをやり続け、13日にひとまず札幌から戻ってきた。
父は、数年前から、いつ死んでもいいように準備をし、その時のことを語りあってもきていた。
それでも去年の暮から、父が体調をくずし入院すると、私の心の中は、恐れと不安で一杯になり何も手につかなくなっていた。
1月15日に、父のお見舞いに行った時、手足にむくみが出て、呼吸を補助するために酸素吸入の管をつけていた。
その後、誤嚥のため心肺停止の状態になり、人工呼吸器をつけたと知らされた時、「それはまずいのでは」と、思った。
病院にいる限り、ずっと延命のための医療が続く。それは父も望んでいないことだった。
しかし、そのおかげで、一命をとりとめた父は、その装置をはずして、様子をみるところまで回復したのだ。
そして、食事がとれるようになったら、病院からホームに移るということであった。
父の亡くなる前日、父に会いに行こうという気持ちが湧いてきて、2月3日の航空券を準備した。
その早朝に父は突然亡くなったのだ。
いつかは訪れると覚悟しながらも、恐れていた事が現実となった。
そして、いきなり、困った状況になった。
まだ名古屋の空港にいる私に、札幌の義妹からの電話で、「仏壇を探したけど、お父さんが生前、本山でつけてもらった法名を書いた紙が見つからない。」
お世話になる予定だったお坊さんは、出掛けていて、葬儀やさんの紹介のお坊さんに別の戒名をつけてもらうしかない。とのこと。
そんなのは嫌だ。と思う。
亡くなった父があの世で、違う名前で呼ばれたら迷うのではないか。
どうしたらいいんだ。と、混乱状態になった。
そして、はっと、我に返る。
そんなこと、どうでもいいんでないの。と思い至る。
死んでから戒名をつけるけど、それって本人が生前に知らない事だし。
そんなことで、私が責任を感じ、罪悪感を感じる必要はない。と思った。
(父も私を責めないだろうと。)
そして、実家について落ちついて探したら、法名を書いた紙が見つかった。
ほっとして、これでもう、すべて終わったような気持ちになった。
でもね、さらにちょっと後悔したこともあった。
札幌は雪だからと、雪靴を履いていって、室内の会場で履く黒い靴を忘れてきたのだ。
父が生きていたら、「何をやっているんだ。」と、怒鳴られるところだ。
だって喪主だよ。みんなちゃんとした靴を履いてるのに。(あー、みっともないなぁ)と思った。
でも、ま、しかたない。これが私なんだ。と、反省しつつも、あきらめる。
ということで、お通夜には雪靴で喪主の挨拶をしたけど、告別式には、姪に靴を借りることができた。
葬儀が終わってから、色々な手続きをしたり、ホームやお寺に行ったりと、やるべき事が目白押しだった。
そんなあわただしさの中で、悲しむ余裕がなかったのかもしれないけれど、心の中に柔らかい明るさがあった。
心不全でなくなったとはいえ、95歳の父の死は、大往生だと思えた。
あちらの世界に行った父が、先に亡くなった、弟や母と再会して喜んでいるような気がした。
そして色々なことが、タイミングよく起こったり、ラッキーなことがあったりして、肉体はなくなったけれど、父の魂がずっとそばにいて、私達をサポートしてくれているということが、実感として感じられたのが嬉しかった。
そして、今回の父とのことで一番印象に残っていることは、通夜の夜のことだ。
15日に、父と麻雀をやる予定だった伯母達が、弔い麻雀をした時に、普通はありえないらしいことが起こった。
娘が、四暗刻のつもで上がり、さらに家人が四暗刻単騎待ちで上がり、どちらも親の役満貫ということであった。
麻雀をやらない人にはわからないかもしれないけれど、それは家人にとっても人生初の体験らしく、息子にメールで知らせろと言ったほどだ。
誰もが、父が参加していたのだと確信し、盛り上がった。
父とは、色々のことがあったけれど、今は感謝の気持ちでいっぱいだ。
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私は父のことを理解できていなかったな。と思った。
自分の勝手な思い込みで、父に反発していたこともあったし。
色々学んだおかげで、父に対する怒りや誤解がやわらいでいって、最後は、父の愛の深さに気づけて、父に優しくなれたことが、本当に良かったと思う。
心の仕組みについて学び、自分を縛る信念体系を解放していきませんか。
「ああ、そうだったのか。」と腑に落ちる体験を、一度おためしください。
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