以前にこのブログ(8月24日)でも取り上げましたが、好評のNHKドラマ『リラの花咲くけものみち2』が終了しました。このドラマを観て私なりに【思ったこと・感じたこと】を以下述べます。ニコニコ

【このドラマは、北海道の大自然を舞台に、動物たちが「生きること」を教えてくれ、「いのち」と向き合う獣医師を目指す元ひきこもり少女の不器用でいとおしい青春物語です。
 第4話では、口蹄疫の発生によって折原牧場の牛が全頭殺処分となり、主人公・聡里(山田杏奈)は犬飼(上川隆也)や能見(甲本雅裕)とともにその現場に立ち会いました。獣医師は命を救う仕事というだけではなく、感染拡大を防ぐために厳しい判断を背負うこともあり、シーズン2ではその現実を正面から描いています。
 第5話では、殺処分そのものの衝撃から一歩進み、「その後どう生き直すのか」が焦点になります。折原牧場・勝喜(温水洋一)の牧場再開、タンチョウの復活、聡里の前に現れる亡き祖母・チドリ(風吹ジュン)という三つの要素は、すべて再生や継承に関わるモチーフとして見ることができます。
 聡里は、全頭殺処分で精神的にダメージを受けた勝喜の娘・七海(大石愛陽)を連れて釧路に向かます。残雪(萩原利久)の案内で絶滅の危機から復活したタンチョウが力強く生きる姿を見て、七海は心が動かされます。七海は折原牧場を再開したいと願うようになります。絶滅の危機から復活した命の象徴を前に、聡里と七海が何を受け取るのかが、大きな見どころです。タンチョウは単なる北海道らしい風景ではなく、絶滅の危機から復活した存在として聡里たちが心を動かされる対象になります
 折原牧場・勝喜は迷っていましたが、犬飼(上川隆也)の励ましと、七海の願いが、勝喜に牧場再開への決断を促します。失ったものを元通りにするのではなく、喪失を抱えながらもう一度始めることが重要なテーマになっています。第4話までの殺処分という「守るために失う命」と対照的に、保護の積み重ねで再び増えてきた命が描かれます。
 また、あらためて動物の命と向き合う厳しさに苦しむ聡里の前に、亡き祖母・チドリ(風吹ジュン)が現れます。聡里の獣医師としての原点や、生き物と向き合う姿勢を思い出させてくれます。聡里が獣医師として抱える痛みを単純に消すのではなく、「命に関わる仕事には救えない場面もあるが、それでも次の命を支えることはできる」という方向へ物語が進みます。重要なのは、聡里が獣医師を志すまでの心の土台にチドリがいることです。最終回で祖母の存在が改めて置かれることで、「なぜ聡里は動物と人に向き合い続けるのか」というシリーズ全体の問いが、個人的な記憶と結びついて回収されていく構成になっています。
 最終回の見どころは聡里・勝喜・七海がそれぞれ選ぶ“次”です。「解決」だけで終わるのではなく、登場人物が喪失の後にどう次へ進むかを見ます。勝喜は牧場の再開を選び、七海は父の決断を受け止め、聡里は獣医師として自分が背負った経験に向き合います。残雪が案内するタンチョウ、犬飼の支え、祖母チドリの存在まで含めて見ると、シーズン2で繰り返し描かれてきた「動物と人間の共存」というテーマが、制度や仕事だけでなく、個人の心の回復にまで広がっていることが分かります。】ニコニコ
(家畜保健衛生所職員・犬飼健太郎役)上川隆也さんのインタビューから
 “命と向き合う覚悟を感じた。「畜産に関わっている方々は1日も旅行にすら行けないそうです。目の前にある命を日々、管理・維持し、育くんでいかなければいけないからです。それでも撮影現場で僕らを笑顔で迎えてくださる。その笑顔の向こうに意思と覚悟を感じました」ドラマでは家畜伝染病の口蹄疫が発生して…。 口蹄疫は16年前に、宮崎県で大流行し30万頭の牛や豚が犠牲になりました。感染した疑いのある牛は注射で安楽殺せざるをえませんでした。当時、対応した専門家にも話を聞き、撮影にのぞみました。
「注射の打ち方一つにしても、現場でどうしていたのかをうそ偽りなくご指導いただきました。当時の一挙手一投足、その方々の思いを反映した現場でした。現実を知る機会として、この物語には意義があると思います」”音譜

  「ドラマ『リラの花咲くけものみち2』は<喪失>から<再生>へ。苦しみを消すのではなく、抱えながらどう次へ進めるか」が、大きなテーマでした。飛び出すハートキューン