ネットに香山リカさんのコラムが載っていました。紹介します。ニコニコ

 “「イヤなことを忘れられるクスリはないですか」
 診察室でよくきかれることだ。結論から言うと、記憶を消すクスリはない。
 「じゃ、いつまでもこのイヤな記憶を持ちながら生きていくしかないんですか」と言う人には、「記憶は消えないけど、イヤという気持ちは変えられますよ」と伝える。
 たとえば、若いときに失恋したときのことを思い出してほしい。大好きだった人と別れなければならなくなった。とてもつらい記憶だ。しばらくはそのことを思い出すたびに涙が出てきたかもしれない。
 でも、10年、20年とたつうちにその気持ちは少しずつ変化していったのではないか。「今でも悲しいけど、あの人に出会えたのはよかったな」「あの別れがあったから成長できた」「そのあといまの夫と結婚したんだから、別れて正解だったかも」というように「別れ」の意味が変わっていく。人の心には、「意味を変える」というすばらしい力がそなわっているのだ。
 人間関係のトラブル、仕事を失敗して叱られたことなども同じだ。はじめは「思い出すのもイヤ」ということでも、そのあと時間がたっていくと、「まあ仕方ないか」「いい勉強になった」「あのとき助けてくれたのが本当の友だちだとわかった」といろいろな意味づけができるようになる。そうなればもうしめたものだ。
 そのために大切なのは、まず自分をいたわること。よく眠り、おいしいものを食べ、きれいな景色を見る。〝心の栄養〟が与えられると、心ははりきって「よし、イヤな気持ちの意味を変えるぞ」と仕事を始めるのだ。
 いまは悲しくて、つらくてやりきれない。でも、何年後かにはきっとこの気持ちは変わっているはず。そう信じて、人生の荒波を乗り越えていってほしい。(かやま・りか 精神科医、総合診療医) ”ニコニコ

  「人の心には、<意味を変える>というすばらしい力がそなわっている」は、大切にしていきたいことばですね!飛び出すハートキューン