ネットに次の記事が載っていました。紹介します。ニコニコ

 “鶏、豚、牛…熱気煙る全21店
 北海道から沖縄まで日本全国のやきとり有名店の味を楽しめる「やきとりJAPANフェスティバル」(実行委主催)が8月22、23両日、室蘭港フェリー埠頭(ふとう)で開かれる。イベントは今回で4回目で鶏肉や豚肉、牛肉などさまざまな具材を用いた21店が一堂に会し、炭火の熱気で晩夏の室蘭を包み込む。参加店を紹介するほか、ご当地グルメ「室蘭やきとり」のルーツに迫る。
 「やきとりJAPANフェスティバル」の舞台となる室蘭市。その名物は、豚肉を使用した「室蘭やきとり」だ。製鉄業などで栄えた「鉄のまち」のグルメとして浸透し、いま人口約7万2千人のまちに約30のやきとり店が軒を連ねる。

 豚肉とタマネギを串に刺し、たれで焼き上げ、洋がらしを添える―。室蘭市内で昨年発足した「室蘭やきとりの会」は地元の味をこう定義する。同会は26店が加盟。市内の学校で調理体験授業をするなど室蘭やきとりの普及に努める。
 今年2月には地域に根付いた食文化をPRする文化庁の「100年フード」に認定された。基幹産業の製造業に従事する労働者や市民にタンパク源を供給してきた歴史が評価された。
 室蘭やきとりについて同会の松永英樹会長は「店ごとにこだわりのたれがあり、肉にも違いがある」とその魅力を語る。
 市内からフェスに出店するのは6店舗。そのうちのひとつ、1994年創業の「やきとり伊勢広」は、あっさりしたしょうゆベースのたれを使う。幅広い世代にとって食べやすく、さまざまな串を楽しんでもらえるようにと考えた味だ。
 肉の柔らかさに特徴のある渡島管内八雲町など道産豚の肩ロースの使用にもこだわる。中村卓也社長は「全国の味との食べ比べを楽しんでほしい」と話す。

 室蘭市の繁華街・中島町の中心部にある、創業76年の老舗「やきとりの一平本店」は、肉の柔らかさを重視し道産豚を生肉で仕入れる。創業以来、継ぎ足ししてきた秘伝のたれは企業秘密。石塚千津社長は「ほかの店よりも甘さ控えめ。ビールにもよく合います」と話した。
 フェスは2023年に山口県長門市で初開催。これまで長野県上田市、鳥取県倉吉市で開かれ、前回は9万人以上が訪れた。開催を控え、同会の副会長も務める石塚社長はこう言った。「どの店も1本の串に魂を込めて提供します」
■ニワトリ1羽余さず 美唄焼鳥たつみ=美唄市
 産炭地として栄えた美唄市で、炭鉱マンの胃袋を満たした「美唄焼き鳥」の名店。もも肉やハツ(心臓)、キンカン(内臓卵)などを用いた「もつ串」が名物だ。
 1968年創業。うまみを出すため10年以上前から複数の塩を焙煎(ばいせん)して味付けするなど工夫を凝らす。2023年には店舗が火災に遭ったが、屋外でのテイクアウト営業などで乗り切った。藤本和己社長は「ニワトリ1羽を無駄なく使うのが美唄焼き鳥。全国のやきとりに負けずに焼き続けたい」と力を込めた。
■長州どり、秘伝たれで 焼とりや ちくぜん総本店=山口県長門市
 山口県の特産品「長州どり」を使った串が人気。漁業が盛んな長門市では魚のあらをニワトリの餌にしてきた歴史があり、養鶏専門の農業協同組合があるなど焼き鳥文化が根付く。
 1989年創業。もも串はジューシーな鶏肉の味を生かすため塩でシンプルに、つくね串は秘伝のたれで味付けする。薬味にはガーリックパウダーを用意し、香りやコクで味を引き立てる。青村雅子代表(61)は「やきとりの聖地といえる室蘭で、長門の味を広めたい」と意気込んだ。
■豪快炭火、うまみ凝縮 ぐんけい=宮崎市 
 宮崎県の銘柄鶏「日南どり」を豪快に炭火で焼き上げる。毎年2月に開かれるプロ野球春季キャンプの開催地でもあり、地元客だけでなく全国から客足が途絶えない。
 1990年創業。自社直営農場で育てた地頭鶏(じとっこ)などを使用する。代表的なメニューは、サイコロ状に切った肉を焙煎(ばいせん)した塩で味付けた炭火焼き。特産のユズを使用したユズコショウで味わう。
 中西幸男代表(55)は「ヘルシーでありながら、うまみがぎゅっと詰まった品に仕上げます」と胸を張る。
■室蘭やきとり ルーツは豚丼?
 室蘭やきとりはいつ、どのように始まったのか―。そこには諸説あり、謎が多い。ルーツのひとつとされる最古のやきとり店は初代が帯広で修業しており、専門家は帯広の豚丼との関連性を指摘する。
■「鳥よし」先代が帯広修業先から
 室蘭市輪西町の「鳥よし」。1937年(昭和12年)創業で、市内に現存する最古のやきとり店だ。2代目の小笠原光好さんによると、父親が帯広のやきとり店で修業。室蘭に持ち帰ったのが始まりだという。
 当初から帯広や名寄からモツを中心とした豚肉を仕入れていたと証言。長ネギより安価なタマネギを使っていた。
 室蘭やきとりの歴史を調べる室蘭市教育委員会の学芸員、谷中聖治さんによると、初代の修業時、帯広では豚丼の元祖「ぱんちょう」がすでに営業していた。推測の域を出ないが「たれのルーツはウナギのたれを用いた豚丼にある可能性が高い」とする。
■鶏は高級 安価な豚モツ使用
 豚肉を使った背景としては「軍靴製造のため養豚が奨励され、豚肉が入手しやすかった」というのが定説で、農林水産省のホームページでも紹介されている。しかし、谷中さんは「室蘭で軍靴を製造したという記録はなく、都市伝説のようなもの」と否定する。
 一方、「室蘭やきとり探求」という論考をまとめた郷土史家葛西一夫さん(75)=恵庭市在住=は「60年代にブロイラーが普及するまで鶏肉は高級で庶民の口に入らなかった」と指摘。葛西さんも軍靴説には否定的だが、市史や統計情報から、室蘭では当初から豚のモツが主流で、平成の初めにかけて精肉が定着したと推察している。
 洋がらしはどうか。鳥よしの小笠原さんは「他店が始めた食べ方が広まった」と述懐しており、鳥よしが始まりではないとする。昭和期のおでん店は夏、やきとりも提供しており、葛西さんは「おでんのからしが由来と考えるのが自然」と結論付けている。
■優先購入チケット 会場内本部で販売

 イベントは22、23の両日午前10時から。入場無料。行列が予想されるため、長く並ばずに注文ができる優先購入パス付きのチケット(当日2千円)を会場内のイベント本部で販売する。
 会場の室蘭港フェリー埠頭(ふとう)まではJR室蘭駅から徒歩10分ほど。会場周辺に約1千台、室蘭港祝津埠頭に約1400台の駐車場を用意する。
 問い合わせは室蘭市観光課、電話0143・25・3320へ。”!!キューン