サッポロビールの北海道限定ビール「サッポロクラシック」が、今年で発売41年となります。アルコール離れで国内のビール市場が縮小する中、クラシックは売り上げを長く拡大しており、「奇跡」とも言われるほどです。人気の秘密は素材など製法へのこだわりと、希少性を保つ売り方にあります。![]()
「いつもビールはクラシックですね。重すぎず、軽すぎず、ちょうど良い味」。札幌市で開催中の「さっぽろ大通ビアガーデン」で7月下旬、市内の主婦Oさんはジョッキを傾けながら笑顔で話しました。![]()
数量は非公開ですが、クラシックの販売量は2025年、前年比4%増となり、過去最高に。5年連続で前年を上回りました。コロナ禍の2020年に途切れたものの、2001年から2019年間増え続けました。国税庁によると、1990年代に700万キロリットルを超えた国内ビールの課税数量は、近年200万キロリットル前後で推移しているだけに、クラシックはまれな存在です。![]()
クラシック誕生の契機は、自治体に特産品づくりを奨励する「一村一品」運動の流行でした。当時の北海道知事が「サッポロビールは一道一品として頑張って」と激励したそうです。サッポロは全国の醸造担当者を道内に集めて開発。1985年に発売されました。![]()
追求したのは、北海道の気候や食事に合う味。クラシックは麦芽100%。副原料の米やコーンを使わなければ通常、うまみの多い「どっしりした味」になります。サッポロの他商品でいうなら「ヱビス」。寒い冬にはいいですが、冷涼な夏には「すっきり感」もほしいとのことで、ドイツ古来の「ホッホクルツ製法」で通常より高温、短時間で仕込み、麦のうまみと爽快さを両立させたといいます。![]()
クラシックを製造するサッポロビール北海道工場(恵庭)のK工場長はジンギスカンを例に挙げ、「道内の味付けは少し甘め。その甘さとクラシックのうまみが調和したあと、爽快さが洗い流してくれる」と解説します。![]()
さらに2022年から道内栽培の原料を一部に使い、道産品としての打ち出しを強めました。網走や富良野地方で栽培している麦芽「きたのほし」、上川管内上富良野町のホップ「リトルスター」と、いずれも同社が開発した素材が採用されました。![]()
新千歳空港の土産物店「北海道本舗」で、次々とクラシックが売れていきます。東京の会社員Hさんは通常缶と夏季限定缶「夏の爽快」を12本ずつ購入し、「来るたびにクラシックを買う。特に限定缶は東京では絶対手に入らないからね」と話してくれました。![]()
クラシックは通常缶を道外の物産展で販売することはあっても、季節限定缶や、飲食店用の樽商品は道外で売りません。サッポロビール本社のM代表は道外の流通関係者からの引き合いは強いとしながらも、「北海道内の気候と食に合うように作っているので、北海道内で飲んでもらうのが一番」と説明します。飲食店や観光客の需要が消えたコロナ禍でも変えませんでした。Mさんは「もし道外に出荷していたら、価値が薄れていたかも」と言います。![]()
発売開始からしばらくは、観光客向けのキャッチコピーで売り出していましたが、近年は地元住民への定着に力を入れています。サッポロビール園に近いスーパーアークス苗穂店(札幌市東区)には「サッポロビールのふるさと 苗穂」と銘打ったサッポロの専用売り場があり、中でも売れ筋がクラシックです。近所の介護職の女性は「なるべく地元のものを買いたい」とかごに入れながら言いました。![]()
さらなるファンづくりも進めています。クリーミーな泡の基準を満たすなど高品質な生ビール「パーフェクトクラシック」を提供する飲食店の認定で、約550店あります。特に素晴らしい40店に昨年選出されたのが、中央区の居酒屋「酒とめし 幹」です。傷がつかないよう手洗いされたグラスで、きめ細かい泡のクラシックを楽しめます。生ビールは店によって当たり外れがあると瓶ばかり飲んでいたお客が、一度飲んでからは生しか頼まなくなることも多いそう。店での「おいしい」という感動も長い人気の秘訣(ひけつ)です。![]()
北海道限定ビールですが、爽やかなうまみを持つこのビールを北海道観光で、是非、喉を潤してみてください!また、ビジネスで新千歳空港に来られたとき、土産物店「北海道本舗」で買って飲んでみてはいかがですか。![]()
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