ネットに香山リカさんのコラムが載っていました。紹介します。![]()
“ひとりはさびしい。何をしても味気ない。これは本当だろうか。私はそうは思わない。
子どもの頃から、私は朝がとても苦手だ。いつもギリギリの時間に起きて、眠い目をこすりながら学校に行っていた。
いまもそれはあまり変わらない。「せっかく自然に恵まれた地域にいるのだから、早起きして散歩でも」と思いながら、実行できないままもう何年もたった。
近所にひそかに尊敬している人がいる。「まだ眠いけど早く行かなきゃ」と、あわてて診療所に向かう途中で通る家の女性だ。春から秋までは、たいてい家の玄関の前に広がる畑で作業をしている。こちらは遅刻寸前なのでいつも一瞬で通りすぎるのだが、土を耕したり草取りをしたり、動物よけの柵をなおしたりしていることもある。おそらくずいぶん早い時間からやっているのだろう。
その女性はいつもひとりで作業をしている。年齢はそれほど若くない。家族がいて早朝に仕事に出かけるのかもしれないが、とにかく畑はひとりでやっているようだ。ただ、通りすがりにながめる表情はおだやかだけれど真剣そのもの。土や作物と向き合い、いつくしむように丁寧に扱っているのが伝わってくる。
そして何より、その様子から人生の充実感があふれていることに感心する。しっかり土を踏みしめ、育ってきた植物を手に取ってながめる。「まるで絵画みたい」と感じ入りながら、私は診療所への道を急ぐ。
もちろん家族や友だちといっしょに出かけたり何かをしたりするのは楽しい。でも、こうして「ひとりの時間」を味わい、満ち足りたものにすることだってできるはずなのだ。
私の時間は、私のもの。私の人生は、私のもの。
そうつぶやきながら、「明日こそはちょっと早起きするぞ」と自分に言い聞かせてみる私なのであった。(かやま・りか 精神科医、総合診療医)”![]()
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「私の時間は、私のもの。私の人生は、私のもの」 なるほど!大切にしたいですね![]()
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