ネットに次の記事が載っていました。紹介します。![]()
“「さいごの小説集」だなんて宣言されたら、寂しい。そう伝えると、91歳の直木賞作家・阿刀田高(あとうだ・たかし)さんは「アイデアが浮かばなくなりましてね。いつかは書けなくなると思っていたから、ついに限界が来たことはそんなに嫌ではないんです」。穏やかに笑った。
「掌より愛をこめて」には、89歳前後での連載10編と、過去に雑誌などで発表した単行本未収録作26編を収めた。ウイットに富んだ言葉遊びあり、男女のエロスあり、ユーモアの背後に見え隠れする毒もあり。原稿用紙にしてわずか数枚の物語が切れ味鮮やかに紡がれる。
世に送り出した作品は900編以上。ひらめきにセオリーがあるわけではないが「いろんなものに幅広く雑然と触れていると、ヒュッと出てくる感じ」。いわく「脳みそのバラけた使い方」が肝要という。例えば銀座のクラブでホステスの女性と雑談する時。相手は話し上手ではないほうがいい。「何か妙なことをポンと言う」会話がヒントになる。そうやって思いついたとっぴな展開を読者が納得するように小説に落とし込むのが、短編小説の名手たるゆえんだ。
どこか死の気配漂う作品も多い。「何といっても自分の死が相当近いですからね」。初めて強く死を意識したのは20歳にさかのぼる。肺結核になり、長く療養生活を送った。友人たちが大きな夢を抱いている時に、自分は病気が少しでも良くなることを喜びとする日々。「高望みしない。まあこんなもんだ、という悟りみたいなものを身につけた」と振り返る。
「顧みて、運の良い人生でした」とすがすがしい。来し方を思い返して「嫌なやつ」はほとんど浮かばないという。教訓を求めると「相手をいい人だと思うと、その人も私の前ではいい人になってくれる。これ、効き目がありますよ」。
小説はもう書かないつもりだが、説得されやすい性分で「編集者にうまく言われたら、エッセーとかは書いちゃうかも」。妻を亡くし、一人で自炊生活を送る自宅は、居間も台所も清潔に保たれている。書斎の机の上には、原稿用紙と鉛筆が整然と並んでいた。”![]()
「相手をいい人だと思うと、その人も私の前ではいい人になってくれる」なるほど 含蓄のある言葉ですね!![]()
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