過酷で知られる「サロマ湖100キロウルトラマラソン」を10回完走すると与えられる称号「サロマンブルー」。その栄誉を示すブルー地のゼッケンを身に付け、札幌市の市民ランナー伊藤誠さん(51)が今年も大会に出場します。鳥

 病気により右肺の半分を摘出したが、教え子たちの姿に支えられ、ランナー憧れの称号を獲得しました。周囲への感謝を胸に、11回目の完走を目指します。ニコニコ
 

 伊藤さんは札幌出身。中学、高校時代は陸上部に所属した。跳躍種目に打ち込み、インターハイにも出場しました。大学卒業後は旅行会社勤務を経て、25歳で刑務官に。マラソンを本格的に始めたのは、札幌刑務所勤務時に施設対抗駅伝の選手に選抜されたのがきっかけでした。
 練習を重ねるほど記録が伸びる面白さに魅せられたとのこと。網走刑務所勤務時の2010年、長男が網走陸上少年団に入団したのを機に自身もコーチとして関わることになりました。ニコニコ
 

 仲間に誘われてその年、オホーツク管内の湧別、佐呂間の両町と北見市にまたがって開かれるサロマ湖100キロウルトラマラソンに初挑戦し、完走しました。10回完走したランナーだけに与えられるブルー地のゼッケンに憧れ、「いつか自分も」と出場回数を重ねたとのこと。

 2019年までに9回完走、10回完走まであと1回と迫ったが、コロナ禍で3年続けて大会は開かれませんでした。キョロキョロ
 開催を待ちわびていた2023年1月、思わぬ病が見つかりました。診断結果は右下葉原発性肺腺がん。自覚症状はなかったとのこと。翌2月に右肺の約半分を摘出し、3月から6月まで抗がん剤治療を受けました。術後、右上半身に「皮膚が引き裂かれる」ような痛みが残ったとのこと。手足のしびれにも悩まされ、術後から約1カ月間は何もできず「なんでこんな目に遭うのか」と落ち込んだそうです。ニコ
 

 再起のきっかけは、少年団の子どもたちの姿。コーチとして「諦めるな」と指導する中、追い込まれた場面から逆転する子どもたちを何人も見てきました。
 「自分もそうなりたい」。1キロ歩くだけで息が切れる状態から、散歩を始め、走れるまでに回復。8月には北海道マラソンも走り抜いたとのこと。キューン
 

 でも、ウルトラマラソンの壁は高く、2024年は55キロ地点で途中棄権。「このまま終われない」と、翌2025年の大会にも出場。完走が難しいペースで、途中棄権も頭をよぎった終盤に「走るのをやめてもいいのか」と自分に問いかけたそうです。残り20キロ地点からは、長年の夢だったブルー地のゼッケンを思い「ブルー、ブルー」とつぶやきながら足を前に進めたとのこと。飛び出すハート
 ゴール直前、網走刑務所勤務時代の仲間の声援が聞こえ、涙が出たそうです。「諦めなくてよかった。人生で最も感情が動いた瞬間だった」と話しています。音譜

 6月28日に開かれる今年の大会で「夢にまでみた」ブルー地のゼッケンを身に付けて走ります。 「再起へと奮い立たせてくれた教え子たちに『人生の壁にぶつかっても諦めないで』と自らの走る姿を通して伝えるつもりだ。」と語っています。キョロキョロ

   市民ランナー伊藤誠さんのこれまでの努力を賞賛しながら「サロマ湖100キロウルトラマラソン」での活躍を祈ります。!!