演劇鑑賞会で劇団民芸「グレイクリスマス」を観ました。![]()
日本の敗戦の年のクリスマス。進駐軍の将校クラブに母屋を接収され、離れに追いやられた五條伯爵家は華族制度が廃止となりました。五條伯爵家の男性たちが喪失感を抱いているとき、華子ら女性たちはたくましく生きます。華子は焼け跡の中、新しい時代の「デモクラシー」に心ときめかせていきます。戦後の大きなうねりに翻弄された激動の5年間を滑稽に、そして感動的に描いています。![]()
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あらすじを簡単に述べると
“華族制度が廃止になる中、女性たちはたくましく生きる。当主の後妻・華子と当主の弟の妻慶子は、将校クラブのホステスを引き受ける。不穏な動きを見せる闇屋の権堂や日系二世の軍人ジョージ・イトウが出入りする離れでは、にぎやかな宴が始まる。ジョージの説くデモクラシーの理想に胸をときめかし、愛をふくらませてゆく華子。娘・雅子は、なぜか権堂に魅かれてゆく。やがてアメリカの占領政策がかわり、朝鮮戦争がはじまる。特需景気で旧勢力が息をふきかえし、五條の弟は政界に復帰、華子の息子は警察予備隊に。そして翌年、戦死したジョージから思い出のオルゴールが華子のもとに届く。”![]()
私なりの感想を以下、羅列的に記述すると・・![]()
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・劇の展開がドラマチックで目が離せなかった。敗戦を迎えたのに、朝鮮戦争が起きる。 本当に平和な世の中でありたいし、歴史は過去のものではないと感じた。
・激動の時代を生きた一人一人の人間の強さと弱さを、ユーモアを交えて描いていた。
・昨今の世界や日本を取りまく状況に似ているところも感じられた。日本国憲法の成り立 ちにも触れる「リベラル」な劇で、時間も長かったが苦にならなかった。
・重いテーマ(差別とはなにか、デモクラシーとは、戦争責任とは?)が問われる内容で あった。
・敗戦後の伯爵家の人々が、庶民の生活とは異なるのは当然だが・・。やはり世情に翻弄 される5年間の日々であったことが芝居を通じてよく分かった。
・「グレイクリスマス」というタイトルだが、ラストに雪が降ってきたのは“明るい未来 であって欲しい”という願いを感じた。
・役者のみなさんの迫真の演技に魅せられた。