一気に読み通すか、毎日区切って読んでいくか。忙しい日常から離れて長編小説の世界に浸ってみてはいかがでしょうか。![]()
明確な定義はないそうですが、文庫本でおおむね200ページを超えると長編と呼ばれるとのこと。![]()
長編小説では登場人物の性格、場所や時間の設定など揺るぎない構成を作家が周到に準備しています。作品世界に入るまでに苦労がありますが、重厚感や読み応えがあり長い時間楽しめます。![]()
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何を読むかは個々人の関心次第だと思います。書店や図書館に行くと、書店員が工夫を凝らしたポップや図書館員のお薦めコーナーもあります。人生を変える偶然の出合もあるかもしれません。![]()
私が今年に読んだ本の中から特に印象に残っている本をいくつか紹介すると・・。![]()
・吉村昭「羆嵐(くまあらし)」
1915年(大正4年)に苫前村三毛別(現・留萌管内苫前町三渓)で農家がヒグマ
に襲われ7人が死亡、3人が重傷を負った実際の事件を描いています。
*人が自然の中に踏み込むと衝突が起こるというテーマが今に通じます。警察や
軍隊など大勢の人間が投入されますが、最後にたった一人のクマ撃ちが立ち向
かっていくのが印象的です。
・原田康子「挽歌(ばんか)」
最初はガリ版刷りの同人誌「北海文学」に連載され、出版されるやベストセラー
となりました。
*一種の「不倫小説」?とも言えますが、戦前まで強いられた「良妻賢母」に反
する姿が社会に衝撃を与え、戦後の女性の自由で新しい生き方を提示しまし
た。外国の街のように描かれた釧路や、小悪魔のような少女が格好良く、細か
な心理描写にも着目してほしいです。
・佐藤泰志「海炭市叙景」
18の別々の短編が少しずつ関連し合い、函館を思わせる架空のまち「海炭市」の
姿を描いています。
*閉塞(へいそく)感の中にも少しの明るさが差す、市井の人の悲しみに寄り添
った作品です。さまざまな仕事をする人々を扱い、いろいろな場所が舞台とな
って複層的に「海炭市」を浮き上がらせます。
・藤岡陽子「リラの花咲くけものみち」
獣医学を学ぶ少女の青春物語です。NHK総合・BSプレミアム4Kの土曜ドラマ枠で
テレビドラマ化され、2025年2月1日から15日まで放送されました。また、2026
年夏には続編が放送予定です。
*恵まれない境遇に育った主人公が日々、厳しい講義や研修に果敢に挑戦し、産業
動 物の医者の道を選んでいきます。主人公の成長過程が頼もしく、読む人に希望
を与えてくれます。