映画「黄金泥棒」が上映されています。鳥
 実話から着想した犯罪映画というと「どんな凶状か」と身構えてしまいますが、実にオカシく不思議な1本です。気鋭の若手監督・萱野孝幸によるオリジナルコメディーです。ほっこり
 
 “平凡な主婦の美香子(田中麗奈)はある日、デパートの「黄金展」をふらりと訪れ、1千万円もする金製の仏具を思わず盗んで持ち帰る。しかし夫にばれてしまい、主催した金製品の会社に返却して謝罪。何が彼女をそうさせたか。変化のない毎日に倦(う)んだ末の出来心か?” …と経緯を振り返るのかと思いきや・・。!!

 実話を反映するのはこの序盤まで。事件がテレビで取り上げられるなど世間の関心を呼んでしまい、予想だにしない展開へ。美香子の表情、言動、行動が次第に変化し、実に能動的に、ある目的へと暴走してゆきます。キューン
 金製品会社の金城(森崎ウィン)や部下、その得意客である実業家など、美香子が事件を機に知り合った人たちとの会話がなんともちぐはぐです。ひとしきりしゃべった後で「…噓です」「冗談ですよ」と一言付け加えられる。言葉に真実味が感じられないのは優柔不断な夫も同じ。むなしいやりとりを重ねるうち、この映画での悪役(=美香子にとっての敵)が誰なのか、輪郭がはっきりしてくる作りが面白いです。照れ

 美香子は、輝くような人生の手応えが欲しかったのだろうと思います。金箔で覆った程度ではなく、ずっしり重い金塊のような。日々の不満を抑え込み「沈黙は金」としてきた過去と決別するドタバタ劇です。飛び出すハートキョロキョロ

   人生の手応え求めて「暴走」、その展開が面白い一作です。音譜赤ワイン