鴻巣友季子さんが『なぜ日本文学は英米で人気があるのか』を出版しました。![]()
鴻巣さんはこの本で“1990年頃まで、英米で翻訳出版される日本文学は谷崎、川端、三島といった文豪の作品が中心だったが、世紀の変わり目に村上春樹の長編・短編小説が続々と紹介され、注目を集めた。やがて2010年代後半になると、多和田葉子、小川洋子、村田沙耶香といった女性作家の作品が翻訳出版され、著名な文学賞の候補となり、受賞も果たす。そして2025年には、英国推理作家協会賞の翻訳部門賞を王谷晶『ババヤガの夜』の英訳版が射止めた”と書いています。![]()
王谷晶『ババヤガの夜』は、滅法腕っぷしの強い女性が暴力団会長の娘のボディガードを無理矢理させられるようになる話です。「暴力とジェンダーを主題化したハードボイルド的犯罪小説」と評価されていますが、私は「ジェンダー」を違った角度から多面的に描写していることを評価しています。これまでの価値観にとらわれ安い日本では「ジェンダー」観は欧米と比較すると、まだまだ遅れた感じがあります。そのことから言うと、今回、英国で王谷晶「ババヤガの夜」が評価されたことは、なんとなく頷けます。![]()
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小川洋子さんの本は前から読んでいました。特に『ことり』が好きです。“親や他人とは会話ができないけれど、小鳥のさえずりはよく理解する兄、 そして彼の言葉をただ一人世の中でわかる弟。”その二人のやり取りが素晴らしいです。そのことに、きっと欧米の人たちが関心を持ったのだと思います。![]()
村田沙耶香さんの本は、近頃、読むようになりました。『コンビニ人間』(第155回・2016年芥川賞受賞作)を読んでフアン?になりました。“36歳未婚、彼氏なしでコンビニエンスストアのアルバイト歴18年目の主人公の生き方を通じて「普通」とは何か”を問う作品です。芥川賞選考委員の山田詠美は「コンビニという小さな世界を題材にしながら、小説の面白さの全てが詰まっている」と評価し、村上龍は「この十年、現代をここまで描いた受賞作は無い」と評価しました。現代の日本の「普通」とは何かを知る上で、欧米の人たちに有効だったのだと思います。![]()
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今回、欧米の人たちの「評価」と言う「外からの視点」を取りあげました。日本の私達がどう「評価」するかと言う「内からの視点」が多いに語られてもいいように思いますが・・![]()

