私の好きな作家、(北海道)十勝管内在住の河﨑秋子さんが、狩猟の世界を描いた長編小説『夜明けのハントレス』(文芸春秋)を刊行しました。
現代の札幌を舞台に、21歳の主人公がハンターとして成長していく物語です。クマによる人身事故が相次ぐ今、「人は野生動物といかに向き合うべきか」を問いかけています。
河﨑さんは狩猟免許は持たないが、中学生の頃から親の見よう見まねで鶏を絞めたり、研修先のニュージーランドで羊を食肉処理する方法を教わったりしました。
「単純に慣れればいいというものではない、とても重いこと。逃げたい人は逃げていい」。実体験のある河﨑さんだからこそのまなざしです。
河﨑さんにとってクマは「恐怖であり、敬う意味も含めての大きな存在」と語っています。「未来につながる物語」をイメージして書き上げたとのこと。
物語の中では狩猟免許取得のために必要な試験や手続き、経済的な負担などの情報も盛り込み、狩猟を知る入り口にもなりそうです。
*河﨑秋子さんは2024年、『ともぐい』で、第170回直木賞を受賞。古い文献を読み 込んで明治時代という過去を背景に、クマと人間の対峙を描いた。


河﨑秋子さん