(2022年4月)演劇鑑賞会で加藤健一事務所「サンシャイン・ボーイズ」を観た。

 2020年の春、加藤健一役者人生50周年、加藤健一事務所創立40周年記念公演として企画した「サンシャイン・ボーイズ」は、コロナ禍のため、初日を二週間後に控え延期になった。2年後の今回の公演で、リベンジの機会を得た。

 ニール・サイモン作の名作喜劇で“43年間も業界のトップを走り、11年前に解散したヴォードヴィルの名コンビ「サンシャイン・ボーイズ」再結成の物語”である。

 加藤健一は「相手役の佐藤B作さんも、共に50年間芝居の道を走り続けてきた仲間だけに、この舞台にかける二人の思いは、言葉には出来ないほどのものがあった。」と述べている

  また、佐藤B作は「加藤健一さんとは初めての共演。今回演じる作品は「サンシャイン・ボーイズ」と言う名作喜劇。皆さんの期待に応えるべく、一生懸命稽古に励みたい。良く出来た喜劇程、シリアスに演じなければいけないという先達の言葉を胸に秘めながらやりたい」と語っている。

   劇の冒頭部分のストーリーを紹介すると・・・。

 “元はヴォードヴィルの大スターコンビであったウィリー・クラーク(加藤健一)は、ひとりとなった今でも役者としての自分は終わっていないと必死にもがくものの、なにもかもが上手くいかず仕事にありつけない。ある日突然、TV出演の大仕事が舞い込んできたが、その条件は元相棒アル・ルイス(佐藤B作)との「サンシャイン・ボーイズ」による往年の名作コントだと聞いて出演拒否の一点張り。二人は私生活では犬猿の仲だったのだ。喜劇の黄金時代が生んだ史上最高のコンビとまで言われたルイス&クラーク、11年ぶりの名コンビ復活となるのか。”

  劇の流れは「ラストショーの最後に待ち受けるふたりの運命はどうなるか」に期待を膨らませながらの展開となった。

 劇の中でルイスとクラークは顔を合わせるなり痛烈な嫌味や文句をぶつけ合って火花を散らす。それぞれのプライドや意地をかけた言葉の応酬がギャグを交えた笑いの中で炸裂する。同時に、いがみ合う2人の心の奥に燃えているコメディアン魂や相棒への密かなリスペクトなども滲み出る。

 加藤健一は「ニール・サイモンが書いたストーリーと、もうひとつ、別のものも併せて見てもらえるんじゃないか。つまり、B作さんとわたしの人生と、サンシャイン・ボーイズのふたりの人生を重ねながら見ていただけるんじゃないかなと。それはとてもすばらしい舞台になると思う」と語っている。

 骨の髄まで役者の加藤健一と佐藤B作が舞台で丁々発止のぶつかり合いで演じる。その意味からも劇の内容を超えるリアリティを強く感じた。

  ニール・サイモンの劇は人物構成がしっかりしていて、しかも、話しの流れが非常にわかりやすい。最後の方で、アル(佐藤B作)が相棒のウィリー(加藤健一)が病で倒れた後に「見舞い」に来るシーンは心情的に迫るものがある。「静かに始まって静かに終わる」劇もそれなりにいいが、今回のような「ギャグを交えた笑いが炸裂する」劇もいいものだと感じた。ニコニコ