中国の悲しい風(19話) | 体幹ダイエット!人生を変えた7つのポイント

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あっ、こんなに便利な方法があったんだ!こんな便利な物があるんだ!など紹介します。

中国の悲しい風(19話)

※7の付く日にこの小説を掲載しています。

日本人でいくら貧乏と言ってもエアコンもある、車もある、お風呂だっていつでも入れるでしょ、と李華連も言った。

前編 
三・烏龍茶(その8)

日本人が世界中を飛び回り、高額な消費をし、高価な物を身に付け、ましてや収入の無い学生でさえブランド品を身にまとい、加えて、その地では信じ難い金を持ち歩いていれば、為替レートがどうの物価がどうの、もう十年も不況が続いている。

リストラで失業率が五パーセント近くだと口角泡を飛ばして言っても、金持ちという先入観はその地に根付いてしまう。

それをいくら否定しても空しい議論に過ぎない。であれば、生活のためという言葉を受け入れ、そうした行為を許容する事も必要かも知れない。
と、私は考えたが、それは李華連が悪く思わないで、と言ったからかも知れなかった。

本音は、例え貧しくとも他人を欺いて利益を得る事は罪である、と言いたかったが、こうした話題が延々と続きそうな気がして、

「解りました、ありがとう。あっ、マイカルに行かなきゃ時間がなくなってしまうね。」と、日中比較議論の終結を宣言したのだった。

マイカルで烏龍茶を四本と花巻ずしを二パック買った後、私達は勝利広場のバス停に戻りながら、それを飲み始めた。

強い日差しと、先程の議論で相当喉が渇いていた。
私は、あっという間に一本を飲み干してしまった。
それを見た李華連は、「半分あげましょうか?」と、私にまだ三分の二程残っている烏龍茶のボトルを差し出した。

「ありがとう。」

ボトルを口にした時、李華連の口紅の臭いがしていた。
甘い香りだった。

束の間、私は彼女が女性であることを強く意識し、甘いくちづけをしているような感覚に包まれ、ドキドキと胸の鼓動が高鳴っていった。
そして、その甘い香りも一緒に飲み干すように一気に飲んだからか、半分どころか底に三センチくらいしか残らなかった。

アハハハハッ、李華連が大きな声で笑い出した。

「京ちゃん、よほど喉が渇いていたのね。ごめんなさい、気が付かなくて。話ばかりしてないで、早く買いにくれば良かったわね。」

「とんでもない。やっぱり日本の烏龍茶は美味しいね。もうこれだけしか残ってない。悪い、悪い。」と、言いながら私も胸の高鳴りを抑えるように大声で笑い出してしまった。

「でしょう。フン。」

李華連が、女性に多く見られる、相手を軽蔑する時や馬鹿にした時の言い方である「フン。」を、わざとらしく気取りながら言ってみせた。
私も真似をして、

「フン、全部飲んじゃえ。」

残った烏龍茶を口から少しこぼしながら飲み干した。
私達は、アハハハハッ、周りを歩く人達がこちらを怪訝そうに見るのを無視して、笑い転げた。
それから、じゃあ早くバスに乗ろうと、どちらからでもなく手を取って、小走りでバス停に急いだのだった。


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