旅立ちの日 | 西村治彦の日記

西村治彦の日記

日々の出来事を書いています。

旅立ちの日

大阪から研修で来ていた「坂口暁夫さん」が とうとう研修所を卒業することになりました。坂口さんは51歳。京都に住んでいます。奥さんと娘さんの3人暮らしです。京都での生活は長く、京都のことを質問すると 大抵のことは分かります。

 3月から千葉の研修所に入り、トレーニングを積んできました。
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関西と関東の違いか あまり で出しはよくありませんでした。関西と関東とのの風土的文化の相違と言葉の壁は厚く、毎日 一生懸命 努力しているのに 一向に 成果が上がりませんでした。3ヶ月が4ヶ月経ち、とうとう5ヶ月目に入りました。
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 本人は、しかし、めげずに一生懸命です。敬服するくらいに 一生懸命です。毎日の勉強で この仕事が好きになったと見えて、途中で「社会保険労務士の国家資格を目指すのだ」、と気持ちも かなり入り込みました。

 なんで 毎日 サボりもせず、一生懸命なのに 成果が上がらないのでしょうか? 

 今まで 坂口さんは 民間の旅行代理店で営業の仕事を 長いことしてきました。大学卒業後 この代理店だけ 一社のみの勤務です。そんな一途な生き方にも 私は感銘を受けました。

 あまりに 顧客の立場を考えすぎて 馬鹿丁寧になりすぎていたのです。

 せっかく 契約が成立し、書類に印鑑を貰ってきているのに、うちの事務所に 戻ってくるやいなや、キャンセルの電話が 立て続けに 3件も入りました。全部 帰社後のキャンセルです。どうしてでしょう?

 私は この不思議な現象をよく観察してみました。

それは 最後の「押し問答」にあると思いました。最後に 印鑑を貰ってからは「ご安心下さい。あとは資格を有する社会保険労務士が責任を持って 手続きするので 何の心配も 御座いません」と 答えて、胸を張って 堂々と、自信満々で帰ってくれば良いのです。

 その時 彼は「お安いですよ。毎月 4,200円で管理しておりますので」と話して帰ってきたそうです。

 彼が 契約した会社を離れた後、言われた「安いですよ」を その事業所は 確認することになってしまったのです。インターネットで調べれば もっと安い社労士事務所もあるのです。ただし 安いところは それなりの手続きしか 致しません。安い費用以内の事務なのです。大抵は 電話をすると 書類だけを送ってきます。自分で 書類を記入して 自分で  役所に手続きに行かなければなりません。「安物買いの銭失い」になりかねません。安ければ良いと言う方もいらっしゃるでしょう。しかし 何事も 安さだけでは成功致しません。

 この「安いですよ」は 押し問答です。相手に「安くない」と言われると、また「そんなことありません。安いです」と答えたくなります。また 相手は「安くない」と 言い返します。これでは 結論も出ず 説得失敗です。後から調べられてキャンセルになる確率が高いのです。

 「押し問答」をするべからず、と注意してから 彼は変わりました。立て続けに 2件 契約を取ってきたのです。もう これで 上出来、研修所は卒業することになります。

 一緒に大阪から研修に来ていた「大塚さん」が 一足さきに大阪に帰り、活躍しています。
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坂口暁夫さんも 大阪に戻って 「水を得た魚のよう」に 活躍されることを 祈ってやみません。頑張って下さい。
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