ある講義で、F井教授はこう話した。

「英米人は、こっちが過去形を使ったら、

距離をとった」とみなすからね。」

 

一同「はぁ( ゚Д゚)??」

室内にはどよめきが走った!

 

「そもそも『過去形』とは

『過去の事実』ではなく、

現実から距離を置く道具として使うんだ。」

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

「では実例を挙げよう。」

 

①仮定法で「現実からの距離形」

「もし~であれば」(現在)や「もし~だったら」(過去)のように、

ありえないような仮定の話だったら、即座に現実正解を離れて、仮定の話とみなす。

 

If I were a bird~(もし私が鳥だったら~)

ほら、現実と距離が出来ただろう。

If  I had had time~(もし時間があったらなぁ)

『had+PP』という形で、過去の現実と距離を置いた表現だ。

そもそも「仮定法過去」や「仮定法過去完了」という呼び方がおかしいのだが、な。

 

②丁寧に話し、「相手との距離形」をとる。

「英語には丁寧な表現はない」と言われているが、ちゃんと存在する。

 

日本語だってそうだろう。

「こちらでよろしいですか」ではなく

「こちらでよろしかったでしょうか」ということがあるだろう。

 

英語にも

「Can you help me?」(手伝ってくれる?)ではなく

Could you help me?」(手伝ってくれるでしょうか?)

となるはずだ。

 

「I want a coffee.」(私はコーヒーが欲しい)

「I wanted a coffee.」(私はコーヒーが欲しいと思いますが)

まぁ、すごく遠慮がちな形だがな。

 

このようにして、英米人は頭の中を

過去形を使うことで「非現実」「仮定」「丁寧」と

スイッチを切り替えるようにしてるわけだ。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

教室は静まり返っていたが、それは静かな興奮で沸いていた。

「これで英語が話せるぞ!」という喜びであった。

 

それ以上に私の中で

喜びと同時に、静かな怒りが沸いて来た。

「なぜそんな簡単なことを

教科書で教えてくれなかったんだ?!」と。