さて、福岡県内の人ならば常識的に知っていることだが、

福岡県は

「高校は公立王国、大学は国公立絶対主義」

なところがあった

 

都会と言わず、地方でも

「勉強できる子は地元の公立進学一番校。」

「二、三番手校に続いて、最後は私立の滑り止め」

・・・・・というのが常識であったが、

2026年度入試において、それが一気に崩壊した。

何と言っても、

公立高校の6割が定員割れになってしまった。

と同時に福岡の

私立高校27校の平均志願倍率がなんと2.71倍に達した。

 

全国レベルでの話なら、よくある話だと思うかもしれないが、

ここ福岡でとくれば、皆が異常事態と捉えることであろう。

 

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ここ福岡における高校選びというのは、

「地元を出て、トップ進学校に行ってやる」

とか

「OO高校に行って部活動を頑張りたい」

とか

「美術・芸術やデザイン系の勉強したい」

とかいう少数の私立高校進学の子を除けば

「皆、第一志望は地元の公立高校」

というのが当たり前だった。

 

私立高校と言うのは「公立に落ちた子が行く学校」

と言うのがこの50年以上に渡って福岡県の空気感だった。

「私立はあくまで『公立の滑り止め』」

と捉えられがちであった。

 

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私が関東の大学に進学し、合コンに出席した際、友人に聞かれたことがあった。

「キミって私立?公立?」

それを聞いて、少し立腹してこう返事した。

 

「はぁ?!公立だよ。

(なんでチンケな私立に行かなきゃならんのだ!)」

 

後半のセリフは口にはしなかったが、怒ってた自分が恥ずかしい。

私すらかかっていた

福岡の罠。

 

友人はやんわりと

「お金に余裕がある家の出身かどうか」を聞きたかったのに、

私にはストレートに

「頭の良し悪し」を聞かれているような気がして頭に来てたのだ。

 

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話を戻そう。

公立高校の入試志願倍率は平均で

2025年度は1.13倍

これが2026年度は1.04倍に急落した。

 

ほぼ「試験受けたら全員合格」と言うレベルだ。

 

定員割れした高校は61校

学科・コースは100学科

史上初めて全体の6割を超えて定員割れだった

 

方や私立高校26校は平均2.71倍

倍率だけで言うと「私立の圧倒的勝利」となった。

 

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何でそうなったのか、というと理由が4つある

 

①共学化

東福岡高校(男子校)が去年から女子も入れるようになり、

中村学園(女子校)が今年から男子も入れるようになったり、

数年前から信愛女学園も男子を入れるようにしたり。

 

純粋な男子校・女子高は、関東・関西の限られた進学校しか残らないのか。

 

②新コースと校舎・制服の美化

資金がそこそこ余裕がある私立高校は、次々と新コースを作り

オマケに校舎と制服もリニューアル。

外観が良くなると、そこに入りたい子も出てきます。

 

③私立高校の授業料無償化

何と言ってもこれが大きいでしょう。

 

今までも所得が一定基準を下回ると、給付の対象でしたが、

給付の上限が撤廃され、支給額がちょっとだけ大きくなり

一大センセーションを巻き起こしました。

 

実は、2・3月の入試には、閣議決定が決まって無かったんですが、

各私立高校は昨年度から言いたくて仕様がない状態でしたが

九州産業高がはっきりと言いきってしまった!

 

じっくり精査すると、確かにお得にはなっているものの、

決定的なものではなく、今までよりはお得なくらいのもの。

 

だって、授業料だけタダなだけなんだもの。

それを大げさに「私立高校無償化」などと言い切っちゃうものだから。

 

現中2・3年生はゆっくり考えた方がいい。

授業料だけじゃなくて、

交通費や制服代なんかも含めて、本当に得なのか、と。

 

④大学進学に有利

とは言え、授業料無償化によって、

十分な進学先になったわけだ。

結果として、

「公立トップ校は厳しいな。一つレベルを落とそうかな」

と言う層も

私立トップ層を保険として使えるようになった。

その結果として

公立トップ校へのチャレンジ層が増えている。

 

皮肉にも

公立トップ高の競争をさらに激化させているとも言える。

 

筑紫丘高校の理数科の倍率は2.63倍

 

これは第4・5・6学区の公立高校の中で最も高い。

 

医療系を目指して理数科を目指す公立指向組の勢いは未だに劣らず、

「トップ御三家を目指すぞ!」という人は未だに多い。

 

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では、中堅校の場合は?

倍率低下の傾向が顕著に表れている。

福岡中央高校の倍率は2年前、1.74倍だった。

これが今回、1.07倍まで下がった。

これはもう「落ちる子はほとんどいない」と言う状況だ。

 

春日高校も2年前の倍率は1.42倍

これが今年は1.12倍だ。

椎名林檎の母校である筑前高校も1.01倍というほぼピッタリ定員充足という状態。

新宮高校普通科も今年は0.96倍。

筑紫高校も0.93倍

朝倉高校も2011年以来の定員割れ、0.97倍

これは

公立中堅校志望の子がゴッソリ私立高校に動いた、

ということだろう。

 

もう一つは推薦入試の増加。

もう一般入試だけを狙わなくてもいいんじゃないか、という

一種打算的な動きもあるのではないか?

 

あと、近隣の第6学区だが、

福岡女子高校が、ついに来年度共学化して

福岡共創高校に名称変更することになった。

第7学区からも、新しく志望先として登場することになるでしょう。

 

もうね、

これだけの劇的な変化が1年で起こってるとは!