言っておきますが、Xやマンガを絶対悪だと決めつけているわけではありません。

ここ(塾)には、マンガが500冊ほどもあるのですからね。

 

1999年ごろから、日本の中学生の数学力は、

各種国際機関の調査において

東アジア諸国に勝ったことが無い。

(数学オリンピックや物理オリンピックは別。灘や筑駒などのスーパーエリートが上位を独占している。)

 

しかし、最近のデータを見る限り、最も深刻なのは

国語力の低下だ。

 

数学はまだいい。Wikipediaによると

2000年度

数学的リテラシー
1. 日本の旗 日本 557
2. 大韓民国の旗 韓国 547
3. ニュージーランドの旗 ニュージーランド 537
4. フィンランドの旗 フィンランド 536
5. オーストラリアの旗 オーストラリア 533
カナダの旗 カナダ
7. スイスの旗 スイス 529
8. イギリスの旗 イギリス 529
9. ベルギーの旗 ベルギー 520
10. フランスの旗 フランス 517
  OECD 平均 500

・・・と、圧倒的に上なのだが、こと国語となると

 読解力* 
1. フィンランドの旗 フィンランド 546
2. カナダの旗 カナダ 534
3. ニュージーランドの旗 ニュージーランド 529
4. オーストラリアの旗 オーストラリア 528
5. アイルランドの旗 アイルランド 527
6. 大韓民国の旗 韓国 525
7. イギリスの旗 イギリス 523
8. 日本の旗 日本 522
9. スウェーデンの旗 スウェーデン 516
10. オーストリアの旗 オーストリア 507
  OECD 平均 500

・・・と、国際平均点を割り込みそうである。

日本の子供の読解力は、2003年、2006年と続けて平均割れしている。

確かに数学もアジアでは最低だが、なんとか上位10位以内には入っている。

 

2009年・2012年は、中国が全分野で一位を独占している。

(まぁ、上海当たりのエリートを選抜して受験させているのだから、至極当然ではあるが。その証拠に、対象を北京・上海・江蘇・広東に広げると、あっさりランク外に陥落した。)

 

2015年の一位はシンガポールの独占である。

(これに習近平国家主席が激怒したのか、2018年は中国の独占状態だった。)

 

直近の2022年は、中国がパンデミックで不参加となり、再びシンガポールの独占、となった。

 

とにかく、

読み書きのできない人のいない国・日本というのは、江戸時代から続いていたのだが、この国では幻想になりつつある。

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1990年代に、東大受験生がいるクラスで

平気で「少年ジャンプ」を読んでいることが話題になった。

(ちなみに、東大生協での売り上げNo.1は少年ジャンプなのである)

 

読者の平均読者年齢が

1990年で14才

2010年で18才

2023年で28才にもなっているのだ。

 

想定読者が小学生であり、

セリフの全ての漢字に読み仮名が振ってある少年漫画雑誌が、だ。

 

要するに

小中学校生でジャンプを読んでいる人間は、間違いなくインテリである。

「マンガであっても、活字にふれているだけ、まし。」と両親が考えているのが現状なのである。

 

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以前にも話したが、マンガ「DEATHNOTE」を読めなくて悩んでいる生徒(中学3年)がいた。

なんでも一巻の7ページ目で「デスノートのルール」が羅列されているのが理解できない、という事らしい。

 

また、同様に読めなかった生徒が

「私知ってますよ。DEATHNOTE!」というものがいたが、

どうやらアニメを見て、惰性で理解してただけ、という事が後になって分かった。

 

2010年代になって、マンガが好きで家に数百冊蔵書している生徒(高校3年生)というのがいたが、

その生徒は、勉強が格段にできた。(朝倉高校→大阪大学工学部院→東レ)

 

やはり、活字を能動的に読む、という行為の有用性を証明した。

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同時に疑ってるのはおなじみ「X(旧Twitter)」である。

「無理。仕事ナウ」などというたった300語の略字で表現する行為は

支持が広まるについて、生徒の読解力にてき面な悪影響を及ぼし始めた。

 

その影響力たるや、教科書を開いて、活字だらけだと、

「無理。読めない・・・」となってしまうのだから。

もう、読む力自体がすっかり衰えているようだ。

 

ある程度読解力が熟成された大学生以上がこれを使うのは問題ない。

だが、読解力が固まっていない高校生以下がコレを使うのは間違っている、ということだ。

 

とにかく、

使い方を間違えたら、どんなものも欠点が目立つようになる

、という事だな。