数か月前に、とある生徒の母親からの電話を受けた。
ココのような塾には、普通は「地元1・2番手校の生徒か、そこへの受験生」しか入塾しない。
ところが、そこの生徒は「地域で3・4番手校の生徒」という事で。
私は逆に興味を感じて「話だけでもしようか」と考えた。
初めて見るその生徒(♀)は、紙も染めておらず、化粧っ気もない「普通の子」だ。
席に着くと、いきなり母親が話し始めた。
中学で友人や先生となじめずに不登校になり、定員割れしている今の高校にしか調査書を出せない、
と言われたそうだ。
更に母親が言葉を繋ごうとすると、その生徒がそれを遮って
「これ以上は私が話すので、お母さんは黙っていてくれませんか?!」
恐ろしく冷静かつクリアな声でぴしゃりと封じた。
その時に気付いた。
「これはあの高校の標準的な生徒とは違う」と。
試しに体験入学で、テストをやらせてみたら案の定
中学レベルの英語・数学がすっぽりと抜けている。
試しに「どれだけ今から回復できるか」を試してみることにした。
(続く)