これだけ情報が溢れる現代においても

不登校児への偏見の目はなかなか変わらない。

本当に不登校の理由とは様々だ。

 

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大別して2つ挙げられる。

 

①イジメ系

もしその子が登校を嫌がる理由が

・いじめを受けている

・仲間外れ。無視されている。

・クラスで孤立している。

という理由ならば

その子の努力でどうにかなるものではない。

 

えてして、そういう不可抗力な理由がある時に

「何言ってるの、あいつらこんなに散らかして帰って、タダで済むと思っているわけ?!」

などと詰め寄ることは厳禁です。

一方的にいじめられている場合、その子一人で対処することはできません。

周囲の大人が適切に対処しないと、その子はますます追い込まれるだけです。

 

言うなれば、これは

「深刻かつ切実なパターン」と言えます。

 

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もう一つあるのが

②サボリ系

・基本的な生活習慣が身についていない

・自分の好きな事だけして過ごしたい(インターネットやゲームなど)

・学校がつまらない、家にいたい

 

こういう場合に、安易に①の如く

「そんな学校、無理に行かなくてもいいよ」

というメッセージをまともに親が受け取るのも間違いです。

 

その子が学校に行けない理由を取り除き、登校できるように取り組む必要があります。

 

②のパターンの場合、

まだセルフ・コントロールが苦手である

、という事です。

 

人間なら誰しも、好きなことをやっている時の方がモチベーションが高まります。

勉強よりも、即興的かつ短絡的な遊びの方が楽しいものです。

 

でも、小・中・高と進み、大人になるにつれ、それでは済まされなくなってきます。

 

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最悪なのが、最近Youtubeで有名になった

「不登校系Youtuber・ゆたぼん」

の存在だ。

 

 

あのクズ親子のおかげで、「お前もサボって遊びたいだけなんだろ?!」と思われるのは心外だ。

 

②サボリ系の場合、それでも前向きに不登校を決めるようだが、

そのせいで

「学歴なんてどうでもいいじゃん!」

と学歴そのものを否定するのは間違っている。

①イジメ系にまで、そういう歪んだ認識が広まらないか、を心配している。

 

そうなれば、それは最悪の結末を迎えることにもなる。

 

例え

「学校に行かなくてもいい」

それが真実だとしても、

「学ぶこと」そして「学歴の存在」を否定してはならない、という事だ。

 

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ココからはデータで示そう。

 

中学生・・・12万人

高校生・・・5万人

不登校の生徒数は減少の様子を見せません。

 

ところが、文科省のデータ(2014年)によると

 

不登校経験者の高校進学率が

85.1%(前回調査65.3%)と、大幅に増加しているのです。

また、高校中退率は

14.0%(前回調査37.9%)と、大幅に下がっています。

 

これはつまり

中学で不登校になっても、高校進学・卒業を、多くの生徒が選択している

というわけです。

さらに、大学・短大・高専への進学率は

合わせて22.8%(同8.5%)と向上しています。

就学も就職もしていない割合は

22.8%(同18.1%)とさらに減少しています。

 

つまり

例え不登校だったとしても、ちゃんと進学している

という事です。

 

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どうです。私の頃に漠然とあった

「不登校=人生の落伍者決定」とはならないのですよ。

 

ただ、こういった不登校経験者の多くが

「望まぬ不登校をした」「不登校に罪悪感を感じた」という人が大半だった、という調査も出ている。

 

つまり、決して「不登校イェ~イ!」と気勢を上げるタイプではなく

ちゃんと社会への復帰を果たした子ばかり、という事だ。

 

「学校なんか行かなくても大丈夫、無問題!」

という主張を真に受けて、就学や就職に向かってないと、その子は間違いなくダメになってしまうのだ。

 

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小学校・中学校という義務教育の場合、どれだけ欠席が続いても、卒業自体は出来る。

 

なぜなら、出席日数は、進級や卒業認定するうえで絶対に必要な条件ではないからだ。

 

高校(か、それ以上)になると、出席日数や成績等が進級・卒業の条件になる。

 

よくある間違いとしては

中学校までは義務教育だから、子供は学校へ必ず行かねばならない、というわけではないからです。

 

正しくは

子供が学校に通えるようにしなくてはならない、

という「親(保護者)」にとっての義務なのです。

(つまりは、「ゆたぼん」の場合、義務違反してるのは親の幸也なのですよ)

 

ところが、このことを親(保護者)が異常なまでに気にするのは

 

高校進学には、出席日数などの調査書の提出が必須になっているからだ。

一番手校や二番手校の公立高校では、これはかなり痛い。

1つの手段としては、「保健室登校」が考えられる。

 

マンガ「二月の勝者」で、

不登校の柴田まるみが、保健室登校して高得点を上げていた

ことが思い起こされるだろう。

(なにせ、私立トップ校・楼陰学園の受験生なのだから!)

 

塾が楽しければ、そういう「見かけだけの通学」でも高評価を得られるわけだ。

 

次に、タイプ別の不登校対策をお話ししよう。