「いじめ」は100%、いじめる方が悪い。

 

これは何度も言われているが、時折「元いじめっ子」が、

「いじめられる側にも落ち度がある。」

などとほざいて、大炎上することがある。

 

本来、いじめっ子とは

「周囲の空気を読む力」

「相手のアクションに素早く対応する反射神経」

「人間関係でのポジション取り」

「人の心を動かす会話術」

等が優れており、社会に出てからは、その優れたコミュニケーション能力を活かして大成することが多い。

 

いじめを起こすような「邪悪さ」も、持ち前の陽気な交渉術で覆い隠してしまう。

 

(別に、コミュニケーション能力が高いから、100%いじめをするわけじゃない。)

 

反して「いじめられっ子」と言うものは、そういうコミュニケーション能力などと言うものを持ち合わせていない。

 

1人で楽しめるのだ。

 

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東大卒の教え子(メガバンク勤務)が、こう言っていた。

 

「ほら、慶應卒って、三田会絡みで飲み会をよく開いているでしょ。」

「僕ら東大卒って、そういうの開かないし、そもそも大勢との飲み会が嫌いだし。」

「仲間とワイワイやってる連中は、流れに乗らない奴が気に入らないんじゃないかな。」

「所詮、彼らと、一匹狼みたいな僕らとは相いれないんですよ。」

そう言って、フン、と鼻で笑った。

 

集団性を重んじる学校教育の中で、そういう「一人だけ離れてる奴」は、周囲のボスが気にくわないと感じる。

 

そうして「おい、ちょっとあいつをいじめて来い。」と指令が下る。

 

そして、何も反抗してこないと、いよいよ「いじめの対象」認定されて、壮絶ないじめが始まるわけだ。

 

 

もはや、どこにも逃げられない。

 

思い切って、生活の場を変えないことには・・・・

 

そういういじめを受けて来た女子を、場所を変えさせて超グローバル女子に生まれ変わらせたことがある。

 

今日はその話をしましょう。

 

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先日、京都から電話が来た。

 

Mare(仮称)からだ。

 

「内定貰いました!」

 

湿っぽい寒さが、一気に暖かくなった気がした。

 

東京の外資系企業に内定したそうだ。

 

「良かったね。コロナ最後の『留学組』として、いかんなく能力を発揮できるね!」

 

「・・・これも、先生たちのおかげです。先生たちに会わなかったら、中学も、高校も辞めていたかもしれません。」

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

 

 

何も言えなかった。

 

ついに、あの子を地獄から解放できたんだ。

 

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8年前の5月

 

こんな日の夕方、一本の電話がかかった。

 

H中学の女子からだ。

(電話の相手が、父親だったのが意外だった。普通は母親からだが。)

 

早速面会してみると、スリムで暗い子だった。

 

テスト中に、父親に聞くと、いじめを受けているそうだ。

 

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本人に聞くと、逃げ場がないままにいじめを受けているようだ。

 

第七学区の辺境にあるH中学は、一学年が20人程度。

 

本人は、趣向が極端(ドクロやスプラッターなどのオカルトが趣味)で、無類のイラスト好きだった。

 

周囲から見ると、そういう事に埋もれて、こっちの意向になびかない奴らは、百発百中「いじめの標的」になる。

 

机の脚をけ飛ばされる。

ビクッとし、先生に訴えても「わざとじゃない!」と無視。

 

ノートや筆箱を隠される。

本気で訴えたら「私じゃないもん。忘れたんじゃないの?」と逆ギレされる。

 

・・・事あるごとに陰湿ないじめが続く。

 

そうなると、Mareはさらに自分の趣味の世界に逃げ込む。

 

そして、さらにいじめは攻撃を伴うものにエスカレートしていく。

 

最後に、学年順位がトップ3になり、「学区トップ校、朝倉高校志望」であることが告げられる。

 

そこで、H町の塾生は、勢ぞろいで彼女をブロック。

 

もはや、どこの塾にも入れなくなって、朝倉市の中央・甘木の塾を探してた時に、ここの塾を見つけたのだ。

 

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一見してわかるのは「自己肯定感が低い」と言う事だ。

 

ありのままの自分を受け入れてくれる相手が見つからない。

(そりゃそうだ。J・オーウェル「1984」などのようなディストピア小説を読んでるんだから!)

 

だから自分の趣味に逃げ込む。

 

まずはその「ありのままの自分」を受け入れるところから始める。

 

すると、その子のイラスト

 

なかなかのものなのだ!

 

私が「絶対暗記カード」を書かせると

 

そのカードは

 

 

上手い!

 

 

 

 

 

「お!カードのイラスト、すごく上手いじゃない?!」

 

「あ、いや、これはその・・・(照れ笑い)」

 

ここだ!これを自己肯定感の基礎にしよう!

 

つづく